1965年、南部高校の3年生だった上田氏は、和歌山大会の準々決勝で市和歌山商に対して1失点の完投勝利を収め、彼の投手としてのキャリアに道を開くきっかけとなった
高校時代の投球スタイルと成長
当時、上田氏は通常一塁手を務めつつ、二番手投手として背番号3を付けていたしかし、南部高の山崎繁雄監督の指導の下、彼はアンダースローに投法を変更
このアンダースローは、肘の高さが低く、ボールのリリースポイントが独特であるため、打者にとって打ちづらい投球スタイルである
この投法への変更が、その後の上田氏の投手としての成長に寄与した
準々決勝の劇的な試合
和歌山大会の準々決勝では、上田氏は先発投手として1失点で完投勝利を収めたその試合は、当初先発が決まっていた同級生の谷地選手の調子が悪く、自分にチャンスが回ってきた試合だった
市和歌山商という強豪を相手にしたこの勝利は、上田氏にとっての転機となった
この試合を視察していた東海大学の岩田敏監督が、彼を獲得したいと考えるようになったのだ
大学進学のきっかけ
上田氏は合格ラインに達していないと感じていたため、大学進学を考えていなかったが、この準々決勝での印象的なピッチングが彼の運命を変えることになった「アンダースローのピッチャーを探していた」という岩田監督の目に留まり、彼は大学野球への道を切り開いた
彼の成長を促したのは、ひたむきな努力とこの試合による結果だった
野球人生の新たなスタート
高校時代の成功が、上田氏を大学野球、さらにはプロ野球の世界へと導くこととなった彼のストーリーは、多くの選手にとっての励みであり、努力が報われる瞬間があることを示している
上田二朗氏の高校時代の快投は、単なる勝利に留まらず、彼の野球人生に大きな影響を与えたことが分かります。アンダースローに転向した背景や、視察されて進学の道が開けたことは、スポーツキャリアにおける運命的な出来事だと言えるでしょう。
キーワード解説
- アンダースローとは?:投球フォームの一つで、投手が肘を高く上げずに地面に近い位置からボールを投げるスタイルを指します。多くの左打者や右打者に対して効果的な投球が可能です。
- 完投勝利とは?:投手が試合の全てのイニングを投げ切り、最後まで登板した状態で勝利することを言います。チームへの貢献度が非常に高い成績です。
- 視察とは?:スポーツにおいて、選手やチームのプレイを専門家が直接観察し、その能力を評価することを指します。プロチームのスカウト活動の一部です。