高校野球に新たな情熱を注ぐ元監督、柳田大輔さんの挑戦
◆第１０７回全国高校野球選手権大会第１１日▽３回戦 山梨学院１４―０岡山学芸館（１６日・甲子園）運命は、常に予測できないものだ千葉の県立校・幕張総合の監督を務めていた柳田大輔さん（４２）は、甲子園の一塁側スタンドで山梨学院に熱い声援を送りながら、そんな思いを抱いていた
春先に人事異動で職場が変わり、千葉県総合教育センターで新たなスタートを切った彼にとって、今の状況は思いがけない展開となった
柳田さんの情熱に触れたのは、2023年春のこと
彼が監督を務めていた幕張総合高校の早坂響投手がドラフト4位でロッテ入りした際、行われた取材がきっかけだった
彼のチーム運営は活気に満ち、マネジャーを含む部員たちの「いい顔」が印象的だった
新たな形での支援へ
県立高校の教員としての異動は決して珍しいことではないが、柳田さんが野球の現場を離れると聞いた時、周囲には寂しさが広がったしかし、彼自身は新たな見方を持とうとしていた
「しばらく外から野球を見るのもいいかもしれませんよ」と彼は語った
そんな矢先、5月に山梨学院の吉田洸二監督に会いに行くと、意外なオファーが舞い込んだ
「もしよかったら、ウチを手伝ってくれませんか」との声だった
公務員としての立場から報酬はないが、彼の野球への情熱は再燃した
「強いチームに関われるとは思わなかったので、本当にありがたいお話でした」と笑顔を見せる柳田さんは、中学生の指導や大会の観戦を通じてやりがいを感じている
この機会を与えてくれた吉田監督との関係は、20年前に遡り、東京から訪れた好奇心旺盛な若者を温かく迎え入れてくれたことに始まる
甲子園との新たな関係
今、山梨学院のポロシャツを着て甲子園のスタンドで選手を見守る柳田さん彼は「これまで甲子園は別世界の舞台だったが、行くものなんだなと思った
今は、日本一になるためのお手伝いをしたい」と真剣な表情を浮かべた
彼の人生は、野球によって導かれ、人と人との結びつきを感じられるものとなった
今では柳田さんが他の人たちを結ぶ番だという思いを強く持っている
（編集委員・加藤弘士）今回の記事では、柳田大輔さんが高校野球界で新たな形で情熱を注ぐ姿が描かれています。彼の人柄や使命感は多くの人に影響を与えており、甲子園での「夢見る場」の重要性を再認識しました。柳田さんのような存在が、若い世代にとっての道しるべとなることでしょう。
キーワード解説
- 甲子園とは？高校野球の全国大会で、日本の高校生たちが熱い戦いを繰り広げる伝説的な舞台です。
- 公務員とは？政府や自治体で働く人々を指し、一般的には市役所や学校などでの職務を含みます。
- 監督とは？スポーツチームを指導し、戦略を立てて選手を育てる役割を持つ人を指します。
