中川皓太、4年ぶりの50試合登板達成と復活の兆し
巨人が敵地・マツダスタジアムで広島に対して同一カード3連敗を喫し、チームは借金2に、3位のDeNAとのゲーム差は1.5、4位の広島との差は2.5ゲームに縮まり、クライマックスシリーズ(CS)進出に向けた重要な局面を迎えている今回の試合で際立った活躍を見せたのがリリーバーの中川皓太選手である
中川選手は、8月27日の広島戦で1点ビハインドの8回に登板
無死一、二塁の危機を迎えつつも、末包昇大選手を二ゴロに封じると、続けて菊池涼介選手を遊飛に打ち取る好投で、7試合連続無失点を達成した
これにより、中川選手は2021年以来4年ぶりとなるシーズン50試合登板に到達した
このシーズンは中川選手にとって特別な年となっており、6月7日の楽天戦ではプロ10年目で通算100ホールドを達成
打者を145キロの直球や多彩な変化球で打者を退け、42イニングで48奪三振を記録するなど、その投球に注目が集まっている
中川選手は現在、50試合登板において1勝2敗29ホールド、防御率は1.71であり、自身初の30ホールド到達を手にした
その勢いは、ますます増しているが、8月16日には出場登録日数が7年に達し、国内フリーエージェント(FA)権を取得した
これは選手としてのキャリアにおいて大きな転機を意味する
中川選手は2016年にドラフト7位で東海大から入団し、順風満帆と言える経歴ではなかった
特に2022年には開幕直前に腰痛を抱え、一軍登板なしという苦難を経験
その影響から、復帰した2023年には44試合登板で1勝4敗14セーブ17ホールド、防御率2.08と持ち直し、今年も意欲を持ってプレーしている
チームとの結束を重んじる中川選手
中川選手は昨年のインタビューで、チームにおける立場や後輩の支えについて思いを語っている「実績ある選手が何人か入ってきているので、僕もまったく安心できないというか、また今年も勝負だと思っています」と言い、他の選手との競争の厳しさを理解しつつも、「ブルペンのみんなの力を借りないとできないこと」と、チームとしての結束を重視する姿勢を見せた
それでも、4月には左膝を痛めて戦線離脱し、防御率は8.76と厳しい結果になったが、チームが4年ぶりのリーグ優勝を果たす中で、「悔しさ」が募るシーズンであった
中川皓太選手の今シーズンの活躍は目立つが、彼の通算成績とキャリアの波乱も興味深い。彼の言葉からは、チームへの強い思いと責任感が伝わり、これまでの苦難を乗り越えた背中には多くの希望が詰まっている。今後の活躍が益々楽しみだ。
キーワード解説
- リリーバーとは?:試合の終盤に登板し、試合を締めくくる役割を持った投手のこと。主に先発投手が降板した後に出てきて、試合を守る役割を担う。
- ホールドとは?:リリーフ投手が試合中に登板し、勝利投手をしてチームがリードしている状態で登板から試合が終了した場合に与えられる記録のこと。
- クライマックスシリーズ(CS)とは?:日本のプロ野球における playoffs制度で、レギュラーシーズンの上位チームが対戦するトーナメント形式の試合。最終的なチャンピオンを決定する重要な試合となる。
- FA権とは?:フリーエージェント権のことで、選手が一定の条件を満たした際に、他のチームと契約が可能になる権利のこと。選手にとっては自主的にチームを選ぶ重要な権利である。

