今回は阪神タイガースの藤本敦士1軍総合コーチ（47）が登場し、自身が経験した震災当時の出来事や、野球に対する思いを語った
震災の衝撃とその後の生活
震災当時、17歳だった藤本コーチは実家がある神戸市長田区で、その時の衝撃を鮮明に覚えている「感じたことのない揺れで目が覚め、目の前の光景が一変していた」と振り返り、また、実家で営んでいた居酒屋でも被害を受けたが、幸いにも食料は確保できていたため、近所の人たちと助け合う生活を送った
野球と葛藤
震災後、育英高校の主将としての立場もある藤本コーチはセンバツ（選抜高等学校野球大会）の開催が可能かどうかに迷った「野球を続けていいのか、本当に悩んだ」と告白する
しかし、甲子園への夢は捨てきれなかった
開催が決定したものの、練習環境が整っていない中での準備に不安を感じていた
センバツへの道
当初は十分な練習ができず、仲間を自宅に招いて自主トレを行う日々が続いたが、自らの気持ちにも葛藤があった「こんな時にキャッチボールをしていいのかと、後ろめたい気持ちが常にあった」
それでも、試合の中で、観客の反応や自チームの健闘が地域の人たちに勇気を与えていることを実感し、嬉しさを感じた
震災の教訓
藤本コーチは震災を通し、「野球ができることが当たり前ではない」と悟り、その思いを毎年新たにするようになった「未来のために、私たちの経験を持ち続けていかなければならない」とコメントした
特に昨年、能登でも地震が発生したことを振り返り、次世代への教訓としての意義を強調した
藤本敦士について
藤本敦士（ふじもと・あつし）1977年生まれ兵庫県出身
現役時代は右投げ左打ちの内野手として活躍し、阪神タイガースに入団
その後、ヤクルトに移籍し現役引退
現在は阪神のコーチとして選手育成に努めている
藤本コーチの震災に関する振り返りは、当時の状況やその後の心の葛藤を伝えており、ただのスポーツ記事以上の深いメッセージを含んでいる。彼の言葉からは、人生に影響を与える出来事がスポーツにどのように結びついているかを考えさせられる。
キーワード解説
- 育英高校とは？育英高校は兵庫県にある高校で、野球に力を入れていることで知られています。
