特に試合の分岐点となったのは、8回におけるピッチャー湯浅の奮闘だ
湯浅は3番手として登板し、2イニング目に入っていた
試合は1点リードされていて、まさに逆転が求められる状況だった
「点は与えられない展開だったので、何とか粘ろうと思って頑張りました」と湯浅は試合後に語る
先頭打者である佐野に中前打を許した後、筒香には右翼への二塁打を打たれ、無死二、三塁という窮地に追い込まれた
しかし、彼はここで冷静さを保ち、初球のフォークボールで牧を浅い右飛に仕留めると、山本もフォークで三ゴロに打ち取った
2死一、二塁となったところで、バトンを先輩の岩貞に託した
湯浅は「立ち直るのが大変な状況でしたが、サダさん(岩貞)が助けてくれたおかげでゼロでいけたので良かった」と感謝の意を示した
岩貞はスライダーを使い、石上を空振り三振に打ち取り、この重要な局面を切り抜けた
その後の攻撃で阪神の打線が奮起
森下のサヨナラ2ランが決まり、試合はエンディングを迎えた
湯浅は1年前に岩貞からの信号で胸椎黄色じん帯骨化症という難病が発見され、手術を受けた経緯がある
「本当にサダさんがいなかったらどうなっていたか分からない」と語る湯浅
彼ら2人のバトンリレーが勝利を舞い込ませる重要な要因となった
阪神のCSファイナルステージ第2戦で見せた湯浅と岩貞のバッテリーの活躍は、選手同士の絆や信頼関係が勝利につながることを再認識させます。特に、病気から復帰した湯浅の成長と野球への情熱が、ファンにも感動を与えました。これからの試合でも、このチームワークが発揮されることを期待したいです。
キーワード解説
- 胸椎黄色じん帯骨化症とは?慢性的な背部痛を引き起こすことがある難病で、脊髄を圧迫することがあります。
- サヨナラホームランとは?同点の状態で最終回に勝ち越すホームランのことを指し、試合の勝敗を決める重要なプレーです。
- フォークボールとは?球種の一つで、投球時にボールの指のかけ方により、落ちる軌道を持つ変化球のことです。

