この特集では、小笠原選手の今シーズンの課題を指摘し、2026年シーズンにむけた投球スタイルの再構築を提案しました
小笠原選手は、ポスティングシステムを利用して中日ドラゴンズからナショナルズへ移籍した際に、2年総額350万ドル(約5億4000万円)のメジャー契約を結びました
彼は現地7月6日のボストン・レッドソックス戦でメジャーデビューを果たしましたが、先発投手としての定着には失敗し、今シーズンはリリーフとして23試合(先発2試合)に登板、防御率6.98、30奪三振、17四球、被本塁打9という厳しい成績を残しています
『Sports Illustrated』は、小笠原選手のメジャー1年目について「打者に痛打されるのを避けるあまり、ストライクゾーンを攻め切れず、苦しい投球になる場面が目立った」と厳しく評価していますが、一方でマイナーでの成績は好評でした
トリプルAでは5試合に先発し、防御率3.60、WHIP(イニングあたり与四球数)1.44、19奪三振という成績を収めています
このことから、MLBのレベルに十分通用する力を持っているとされています
また、データ分析サイト『Baseball Savant』によると、小笠原選手のフォーシームとチェンジアップは打たれる傾向が強く、それが今シーズンの苦戦の一因とされています
特にフォーシームの被打率は.351、長打率は.579という厳しい数字です
しかし、ナックルカーブとスライダーは非常に有望で、ナックルカーブでは129球投げて被打率.100、長打率.300という数字を記録しています
今後、同誌は小笠原選手に対して「シンカーを新たな主要な球種として磨き、ナックルカーブとスライダーを効果的に織り交ぜることが有効」と提案しています
また、フォーシームの使用頻度を減らすことが得策とされ、より安定したピッチングスタイルへと変化する可能性が示唆されています
小笠原選手は憧れの舞台での1年目を終え、制球力と球種の幅をさらに磨くことが、来シーズンの飛躍に繋がるかどうかが注目されます
小笠原選手のメジャー1年目は厳しい結果となりましたが、課題を整理し、さらなる成長を目指す姿勢が注目されます。彼のピッチングスタイルの再構築は、今後の活躍を大いに期待させるものであり、特に変化球の使い方に工夫が必要です。来シーズンには、成績の向上が期待されます。
キーワード解説
- ポスティングシステムとは?特定の条件に基づき、海外の選手がメジャーリーグに移籍できる制度です。
- WHIPとは?投手が9イニングあたりに与える四球と被安打の合計を示す指標で、投手の制球力を評価するのに役立ちます。
- ナックルカーブとは?ボールが回転しにくい特性を持った変化球で、打者にとっては見極めが難しい球種の一つです。

