それよりも、一軍で活躍できる選手をどれだけ輩出できるか
僕の本来の役目はそこですから」 今オフ、DeNAから巨人に移籍した石井琢朗二軍監督（55）は力強く言い切った
来季は岡本和真のメジャー流出で戦力ダウンは必至である
そうした中、1人でも多く、勝利に貢献できる選手を育てなければならない
石井二軍監督は、「それには、一軍の阿部監督、三軍の会田監督としっかり“タテの連携”を取ってやっていかないといけません」と続ける
「一軍が勝ってナンボ、一軍が優先なんで、一軍でどういう選手が必要とされているか、ファームからどういう選手を送り出さなければいけないのか、求められている選手像をきっちり明確にした中でやっていきます」と強調する石井監督
広島、ヤクルト、DeNAのコーチを歴任し、数々の優秀な選手を育成してきた彼は、名伯楽として知られ、過去には優勝請負人とも評されている
また、石井二軍監督は“猛練習主義”のイメージが強い
実際、広島の一軍打撃コーチだった2015年秋には、4位のチームを立て直すために厳しい練習を導入し、その結果、翌年には25年ぶりのリーグ優勝につながった
指導当時、一緒にコーチをしていた河田外野守備走塁コーチ（現DeNAコーチ）は、「琢朗は鬼ですよ、野球の鬼」とその厳しさを認めていた
しかし、石井二軍監督は現在、「ただやみくもに練習量を増やすことは考えていません」とも言う
「一軍で勝つためにどういう野球をやらなければならないのか、その為に必要な思考力や判断力を選手にしっかり教えていかなければなりません
スキルを習得させるにはある程度の練習量が必要で、追い込む時は追い込みますが、選手が自分で考えるべきことは考えさせます
そういう意識付けをして、土台ができれば自主性が生まれる
それが、一軍で戦力になる選手を育成することだと思っています
」 現在、石井二軍監督は一、三軍の監督やファームのコーチ陣と密にコミュニケーションを取りながら、様々な意見に耳を傾けている段階である
グラウンドでは、時折選手たちに助言しながら、距離を置いて練習を見守っている
55歳で古巣DeNAから巨人へ転身した理由について、石井二軍監督は「これまでに積み上げた自分のスキルで勝負したかったから」と語った
彼の新たな挑戦は、今始まったばかりである
記事からは、石井監督の新しい育成方針が明確に示されています。“勝利よりも育成重視”という姿勢は、選手の将来を見据えたものだと言えます。一軍との連携を深めることで、どのような選手が必要かを見極め、その育成に取り組む姿勢が印象的です。今後の巨人の選手育成がどのように進んでいくのか、期待が高まります。
キーワード解説
- 育成とは？：選手を成長させるための指導や訓練のこと。
- タテの連携とは？：一軍、二軍、三軍の監督やコーチたちが協力して選手育成にあたること。
- 猛練習主義とは？：厳しい練習で選手を鍛え、成績を向上させる理念。
- 思考力とは？：物事を考える力や判断をする能力のこと。
