対戦相手は、甲子園常連校の比叡山高で、前年の夏には全国ベスト8に進出した強豪でした
試合は、1-1の同点で延長戦に突入し、11回裏、私のヒットを皮切りに一死一、二塁のチャンスを作り、9番の選手が左越えの安打を放って劇的なサヨナラ勝利を収め、私たちは甲子園の切符を手にしました
瀬田工高にとって、夏の甲子園は初出場でした
比叡山高は伝統あるチームで、観衆からの応援も熱気に満ちていました
全国大会を経験していた私たちは、試合を重ねるごとに自らの緊張感を理解するようになりました
特に、初戦となった三重県代表の明野高との試合では、両校共にプレッシャーにさらされているのが見て取れました
試合は乱打戦となり、初回に3点を先制されるも、逆転に成功し、最終的には9-7で勝利を収めました
明野高は、監督が元ボクサーである冨士井金雪(ふじい・かねゆき)氏で、特異な経歴を持つ指導者でした
続く3回戦では、秋田県代表の古豪・秋田商高と対戦しました
このチームにはプロ注目の右腕、高山郁夫(たかやま・いくお)投手が在籍しており、強敵であることが分かりました
そのため、抽選で彼らと当たった瞬間、監督や選手たちの表情には緊張が走りました
高山投手はその後、西武ライオンズに入団することになりますが、当時の実力は高校生とは思えないものでした
私たちは恐れずに秋田商高に挑む決意を固めました
相手は実力者揃いですが、勝負することの大切さを学びました
この夏の体験は、私たちの青春を支え続ける貴重な思い出です
1980年の夏、高校野球は緊張と興奮に包まれた。若者たちが夢を追い、努力の定義を学ぶ舞台は、友情や感動と共に彼らを成長させる重要な体験だった。このような試合の背景には、監督や選手の想いが詰まっている。
キーワード解説
- 甲子園とは?:甲子園は日本の高校野球の全国大会であり、毎年夏に行われる。地方予選を勝ち上がった高校が集まり、日本一を目指す重要な大会。
- 延長戦とは?:試合が引き分けの時に、勝負を決めるために追加のイニングを行うこと。一定のルールのもと、通常よりも長い時間、試合が続くことがある。
- サヨナラ勝利とは?:試合の最後のイニングで、相手チームが負けることが決まる状態で得点し、勝利を収めること。

