今回は、鮮烈なデビューを果たした小宮山悟選手に焦点を当て、その駆け出しの物語を解説します
ライターの中溝康隆氏の視点から、彼のプロ野球選手としての出発点を振り返ります
二浪して一般入試で早大へ
小宮山選手はプロ野球選手になるための道が芳しくなく、何度も困難に直面しましたその中で彼は、教育実習中にロッテからのドラフト1位指名を受けることになったのです
「外れ1位」という名目はあったものの、それでも12人中の1人に選ばれたと冷静なコメントを発表
彼は、二浪を経て一般入試で早稲田大学に合格した異端の選手でした
浪人生活中は、予備校をさぼってスポーツを楽しんでいましたが、野球の才能は衰えていませんでした
実際、一浪目の夏に巨人の入団テストを受けて合格した経験があり、これは彼の自信を大いに高める要因となりました
新聞にも『予備校生』として取り上げられ、当時の彼の実力を証明する出来事です
早稲田での経験と成長
仮に1984年頃に小宮山選手が巨人に入団していれば、斎藤雅樹選手や桑田真澄選手らと共に強力な先発陣の一員として活躍していたかもしれませんしかし、彼は早稲田の道を選ぶことになります
三年時の早慶戦では、相手の打者を敬遠するという冷静な判断をする一方で、主将としてプライドを持ってプレイに臨んでいました
小宮山選手の投手としてのエゴ
小宮山選手は、監督の指示を受けたにも関わらず、相手の四番打者を敬遠する際に涙を流したというエピソードがありますこれは、勝利よりも自分の実力をしっかり見極めて戦う彼の姿勢を示しています
彼にとって、背番号やユニフォーム以上に早稲田の勝利が重要だったのです
小宮山選手の物語を通じて、困難を乗り越えた彼の姿勢や、野球選手としてのエゴがどのように成長に繋がっていったのかがよくわかります。特に、勝利のために自分を客観視する判断力は、他の選手にも学びの要素が多いでしょう。
キーワード解説
- ドラフト：プロ野球選手を選抜するための制度で、指名された選手は各クラブに入団できる。
- 浪人：大学受験に失敗した後、再度受験を目指して1年間勉強を続けること。
- 敬遠：投手が打者をあえて四球として歩かせる戦略で、特に強打者に対して行われることが多い。
