名古屋の野球文化と地元愛の深層に迫る

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名古屋を拠点とするプロ野球チーム、中日ドラゴンズのファンの文化に関する興味深い新書『人生で残酷なことはドラゴンズに教えられた』が注目を集めている

著者である富坂聰教授(拓殖大学海外事情研究所)は、名古屋人の「名古屋ファースト文化」に焦点を当て、特に名古屋と中京圏に根付いた独自の地元愛について考察している

名古屋人の「ファースト」意識とは

名古屋人は一見すると自らの地域を誇示することは少ないが、心の奥には強い地元愛が宿っていることが指摘されている

これは「名古屋(中京)ファースト精神」とも呼ばれる現象で、地域の特産物である八丁味噌の存在が象徴的だ

名古屋では八丁味噌の好みが強いことから、「嫌い」と言われる人に対しても、多くの名古屋人はその人が好みを理解していないと考える傾向がある

地域メディアの影響力

中部地方の新聞『中日新聞』は、地域の文化や教育に深く根付いている

その影響力は計り知れず、特に子供たちの間では、地元のチームへの応援が習慣となっている

この新聞の購読者の子供たちは、特典として中日ドラゴンズの試合観戦に招待されるタダ券を手に入れることができ、そのことで自然とドラゴンズファンが育っていく

少年時代のエピソード

富坂教授は自身の少年時代を振り返り、同級生のA君が『中日新聞』を取っていないことを告白した際のエピソードを紹介している

この事件は、名古屋人にとっての地域愛や文化に対する誇りの一端を示している

友人たちはA君を囲み、その家族の新聞選びを批判することで、名古屋の新聞文化の重要性を再確認した

名古屋の地元愛と文化は、非常に興味深いテーマである。富坂教授の指摘するように、名古屋人は一見控えめながらも強い地域愛を有しており、それが独自のファースト文化として根付いていることには、深い意味がある。特に地元メディアの影響は大きく、地域のアイデンティティの形成に寄与しているのだ。
キーワード解説

  • 名古屋ファーストとは?
  • 八丁味噌とは?
  • 中日新聞とは?

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