ルーキーから4年連続で規定投球回に到達し、昨季はリーグ最多タイの14勝を記録した伊藤は、今季もその活躍を続けている
伊藤選手の統計を見てみると、奪三振と与四球の割合が共にリーグ上位にランクインしている
特に、四球を極力出さずに、高い奪三振率を誇っている点が、彼のピッチングの強さを物語っている
多彩な持ち球と新たなレパートリー
伊藤選手は、大きく曲がるスライダーや計測困難なスローボールなど、10種類以上の球種を投げ分ける多彩な投手である2023年のシーズンからは、ストレートの割合が増加し、加えて新たに「縦スライダー」を加えた
これにより、その投球割合はスプリットに次いで3番目に高い14.5％を記録している
縦スライダーの特徴
新球、縦スライダーの特徴として、平均球速が134.0キロであり、従来のスライダーと比べても大きな違いはないが、打球傾向に顕著な差が見られる今シーズンのスライダーがフライ打球ばかりなのに対し、縦スライダーは47.6％がゴロ打球となっている
ゴロ打球はヒットになりにくい傾向があり、この点が伊藤選手の被打率を低下させる要因となっている
左右打者に対する影響
また、左右打者別のデータから見ると、縦スライダーは特に右打者に対して強い威力を発揮している縦スライダーの奪空振り率は、左打者が12.7％に対し、右打者は驚異の26.2％を記録している
この数字は、2024年のパ・リーグにおけるスライダーの平均奪空振り率13.3％と比較すると、その効果が際立つ
シーズンの成績
今季、伊藤選手は右打者を被打率.196に抑え、高い奪空振り率を誇る縦スライダーを武器とし、投手としての成長を見せている伊藤大海選手の進化が明らかになった今季の成績から、特に新たに導入した縦スライダーの効果が際立っている。打者を三振に仕留める能力や、四球を出さないピッチングスタイルが、さらなる成長につながっているといえる。多様な球種を駆使することで、打者に対して有力な戦力としての地位を確立している。
キーワード解説
- 奪三振とは？投手が打者を三振に仕留めることを意味します。
- 与四球とは？投手が打者に対して四球を出すこと、すなわちボールが4つ投げられた場合に打者が無条件で一塁へ進むことを指します。
- スライダーとは？投手が投げる球の一種で、横に曲がる特徴があります。
- ゴロ打球とは？バッターが打ったボールが地面に向かって打ち出されることで、通常は内野手によって処理されやすい球種です。
