この試合の8回、1点を追う中日が、川越誠司外野手(31)が放った打球がファウルと判定され、試合の流れが大きく変わった
その瞬間、川越と中日のベンチは一瞬の勝利を確信したが、その判断は覆らなかった
この問題を受け、東京大学卒の元ロッテ投手であり、現在は桜美林大学の教授である小林至氏(57)が自身のYouTubeチャンネル「小林至のマネーボール」において日本のリクエスト制度の課題を指摘した
リクエスト制度の現状
現在の日本プロ野球(NPB)において、リクエスト制度は各球場の審判が主催球団の用意した映像を用いて判定を検証する形が取られているしかし、この方式にはいくつかの問題点がある
MLBとの比較
小林氏は、メジャーリーグベースボール(MLB)との比較を行ったMLBの「チャレンジ専用スタジオ」では、ニューヨークに設置された専用のシステムが、最大15試合分の映像を同時に検証できる
この方式により、現場の審判は信頼性のある情報をもとに判定を待つことができる
ホークアイの導入提案
小林氏は、NBAやテニスなどで採用されている「ホークアイ」システムを日本プロ野球にも導入することを提案したホークアイとは、360度の映像解析が可能なカメラシステムで、打球の角度、飛距離、速度などを正確に測定することができる
日本各地の球場でも既にこのシステムが採用されているケースが多く、それをリプレー検証に活用することができれば、判定の精度向上に寄与すると、小林氏は主張している
今後の展望
日本版の「チャレンジ専用スタジオ」を設置するには多くの課題が残るが、ホークアイの開放は比較的容易に実施できるという小林氏は、各球場の経済負担が少なく済むため、早急な導入が必要であると考えている
中日・川越選手の判定を巡る騒動は、NPBのリクエスト制度の課題を浮き彫りにしました。改革が急務であり、特に他国の制度と比較した際の遅れが目立ちます。選手やファンのためにも、透明性の高い判定システムの実現が望まれます。
キーワード解説
- リクエスト制度とは?:試合中に審判の判定をビデオ映像で検証する制度。誤判定を防ぐことを目的としている。
- ホークアイとは?:360度から映像を解析し、打球の角度、飛距離、速度などを正確に測定するカメラシステム。スポーツ全般で利用されている。
- チャレンジ専用スタジオとは?:特定の場所に設けられる映像検証専用の施設。MLBがその運用を行っている。

