彼は、2012年にDeNAが親会社となった後、スカウト部長に就任
その時、チームは4年連続で最下位に低迷していた
再建のスタート
「めちゃくちゃ戦力がなかった本当にひどかったから、高田さん、中畑(清監督)と3人で大学、社会人の即戦力でいこうという話をよくしたね
」と吉田氏は当時を振り返る
新たな体制のもとで臨んだ最初のドラフトでは、6位でセガサミーの宮崎敏郎内野手を指名した
彼は他球団からノーマークだったものの、入団後には2度の首位打者に輝くなど、チームの主力として活躍することになる
スカウト戦略の醍醐味
吉田氏の戦略は端的に言えば、他球団がマークしていない選手を見つけることにあった「下位で他球団のマークから外れている選手を狙う
年齢がいっていても、早く動いて見つけるんだ
」と吉田氏は語る
彼が指名した佐野恵太選手はその一例で、9位で指名されて以降、チームの主軸として活躍を続けている
ドラフトの秘められた戦略
吉田氏は巨人の時代にもスカウトとして経験を重ねていたそのため、選手の能力を見極める力量も持っていた
「確かな目ではないけど、スカウトは長いことやった方が絶対いい
」と吉田氏は自信を持って語る
彼の観察眼と豊富な経験が、DeNAのドラフト戦略に生かされていった
選手との関係づくり
「担当した選手はかわいいし、ものすごく気になる」と語る吉田氏
スカウト業のやりがいは選手たちの成長を見ることにある
選手たちの活躍は、自身の評価にも直結するため、吉田氏は常に選手たちに温かいまなざしを向け続けている
実際、DeNAは吉田氏の指導下で5年目には3位に浮上し、さらに2019年には2位に入るなど、着実にチーム力を向上させた
そして2022年には念願の日本一に輝いた
その結果は、スカウトとしての経験と情熱、そして吉田氏の戦略の賜物であった
2020年のドラフトを最後に勇退した吉田氏だが、今も時折球場を訪れ、選手たちの活躍を見守り続けている
スカウトの役割は、ただ選手を見つけるだけでなく、その選手がどれだけ成長できるかを見極めることです。吉田氏のような経験豊富なスカウトがいることで、チームは強化され、さらなる成功を収めることが可能となります。選手とスカウトの関係性も重要で、信頼感が選手の成長を促進します。
キーワード解説
- スカウトとは?スポーツ界で選手を見つけてきたり、評価したりする専門家のことを指します。彼らは未来のスター選手を見出すことに尽力します。
- ドラフトとは?プロスポーツチームが選手を選ぶための手続きやイベントを指します。この際、各チームは自チームに必要な選手を獲得するために戦略的に選ぶ必要があります。
- 即戦力とは?入団後すぐに試合に出場できるレベルの選手を指します。そのため、新人選手は大学や社会人チームから選ばれることが多いです。

