「グラブの神様」江頭重利、92歳で逝去 – プロ野球界の伝説を偲ぶ

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2012年度の「現代の名工」に選ばれた久保田運動具店元福岡支店長の江頭重利(えがしら・しげとし)さんが、2025年5月23日、92歳で死去しました

江頭さんは、多くのプロ野球選手のグラブを手がけ、「グラブの神様」と呼ばれる存在として知られています

江頭さんは、プロ野球界における数多くの功績を残しており、特に石毛宏典さんや辻発彦さんなど、著名な選手たちのグラブを製作してきました

江頭さんの職人としての技術と情熱は、多くの選手から高く評価され、彼の手掛けたグラブは多くの成功を支えることになりました

江頭の思い出とエピソード

江頭さんの遠い記憶の中には、1973年に入団した真弓明信選手の懐かしいエピソードがあります

真弓選手は、77年頃からレギュラーとして活躍し、江頭さんとの絆を深めていきました

ある日の練習後、真弓選手は1人で用具を片付けていた江頭さんを見かけ、心配して手伝おうとした結果、アクシデントが起こってしましました

真弓選手は、打撃マシンを倉庫に運ぼうとした際に指を挟み、血を流してしまいました

江頭さんはすぐにタクシーで病院に連れて行き、幸いにも大事には至らなかったものの、これをきっかけに江頭さんは選手たちに用具の手伝いをさせないという決意を固めました

「選手生命がかかっている」との思いから、今でもこのポリシーは続いています

ビュフォードと江頭の交流

また、江頭さんの思い出には、現役メジャーリーガーのドン・ビュフォード選手との交流もあります

ビュフォードは太平洋クラブライオンズに在籍し、スイッチヒッターとして55本塁打を記録した選手で、彼が使用したバットは江頭さんにとっても特別なものでした

江頭さんはこのバットをスラッガー福岡支店で保管しており、その特徴をよく理解しています

「木目がそろった、いいバット」と江頭さんは評価しつつ、ビュフォードが裏打ちにこだわらずに使っていたことに驚きを隠しませんでした

これにより、ビュフォードの個性やプレースタイルが際立ち、江頭さんにとって彼との思い出はかけがえのないものになりました

江頭さんを偲ぶ

江頭重利さんの逝去は、プロ野球界にとって大きな損失であり、彼の名に刻まれた多くの歴史やエピソードは、これからも語り継がれていくことでしょう

江頭さんの功績を称え、彼が残した仕事への情熱や選手への愛情は、今後も多くの人々に影響を与え続けることでしょう

江頭重利さんの死去は、プロ野球界において大きな影響を与えた事件です。彼の技術や選手への配慮は、人々の記憶に長く残ることでしょう。彼が「グラブの神様」と呼ばれる所以を知り、職人としての情熱と人間らしさを再認識する機会になりました。
キーワード解説

  • グラブとは?:グラブは、野球で選手が打球を捕るために使う手袋のことを指します。特に外野手用、内野手用、捕手用など用途に応じて異なる形があり、それぞれのポジションでのせりかにも特化したデザインが施されています。
  • 職人とは?:職人は、特定の技術や技能を持ち、その技を使って製品を作る専門家のことです。江頭さんはグラブを作る職人であり、選手たちのニーズに応じてカスタマイズされたものを提供していました。
  • スイッチヒッターとは?:スイッチヒッターは、両打ちの選手を指します。右打席、左打席の両方で打つことができ、その技術によりピッチャーの投球スタイルに応じて有利に戦うことができるプレーヤーのことです。

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