今回は鉄壁の守備を誇る熊谷敬宥内野手（29）に、「失敗しないゴロ捕球」の極意を聞いた
昨季までは代走、守備固めが主だった熊谷選手が、今季は立派な“守役”を務める
本職の遊撃に限れば、ここまで先発で9試合、途中出場で2試合務め、失策はゼロという成績を収めている
土や人工芝を問わず、的確にゴロをさばき、投手をもり立てている
これまでのパフォーマンスは、まさに人気ドラマ「ドクターX」のような「失敗しないゴロ捕球」を体現している
熊谷選手は、「ゴロを捕るときは、グラブを左右に振らず、ボールを前から（自分の方に）引っ張ってくるイメージです
自分からボールの方へ極力グラブは出さない」とし、打球が自分の体に入ってくる感覚を重要視している
また、「正面」で捕ることが全てではなく、三遊間のゴロは逆シングルで捕ることもあると説明する
基礎に執着するあまり、強引な正面捕球はリスクを伴うため、「僕も“（体の）真ん中ぐらい”で捕っている」と述べている
プロの世界では、コンマ1秒を争うため、柔軟な思考も必要である
打球を体に引っ張ってくるイメージは、「スムーズな球の握り替え」をもたらし、グラブを左右に振ることによって起こる握り替えのミスを避ける
さらに、打球の強弱によって足のステップを調節することも忘れない
「打球に対して前へ行きつつ、下がりながらバウンドを合わせることもある
“バウンドが合わない”と判断すれば“下がる勇気”も必要なので」と、その瞬間の決断力についても語った
熊谷選手は、基本から応用までを広島の菊池選手との自主トレで学び、球界屈指の名手との鍛錬も得ている
また、シーズン中のノックから得られる技術向上のヒントについても触れ、「練習ではエラーしていい
むしろ、こうしたらエラーするんだな、と考えています」と語った
このようにして、彼の堅守には頭と体を使った地道な研究が背景にある
熊谷選手のインタビューを通じて、守備に対する考え方や練習法が非常に興味深い。基本を大切にしつつも、状況に応じた柔軟な対応が必要であることがよく分かった。また、自主トレで名手から学ぶ姿勢も素晴らしい。すべての選手が熊谷選手のように努力し、失敗を恐れずに練習を重ねることが重要だと感じる。
キーワード解説
- ゴロ捕球とは？：ゴロ捕球は、地面を転がるボールを捕る技術のことを指します。正しい捕球技術を身につけることで、失策を減らすことができます。
- 逆シングルとは？：逆シングルは、ボールを捕る際にグラブを体の前ではなく横から入れ、ボールを捕る技術です。これにより、捕球がしやすくなります。
- 送球とは？：送球は、捕球した後にボールを投げることです。正しい捕球ができていれば、送球も安定します。
