新庄監督の独自采配が日本ハムを勝利へと導く
プロ野球のセ・リーグでは阪神が独走を続ける中、パ・リーグでは「2強」の戦いが繰り広げられている日本ハムファイターズは、新庄剛志監督（53）のもと、強豪ソフトバンクホークスに立ち向かっている
彼の“新庄采配”は、単なる奇策のように思えるが、実は緻密な戦略が隠されていることが明らかになっている
日本ハムは、16年ぶりに前半戦単独首位をターンし、ソフトバンクと激しい首位争いを展開中である
ソフトバンクは12球団最高の総年俸78.7億円を誇るが、日本ハムはその半額以下の36.7億円であり、限られた戦力を駆使している
新庄監督は独自の選手起用や采配で自チームを勝利に導いている
例えば、8月5日の西武戦では、主力選手である万波中正にスクイズのサインを出し、観衆を驚かせた
試合後、新庄監督はSNSに「計算が当たりました!!」と投稿し、この戦略が成功したことを誇示した
日本ハムの“完投主義”の背後にある戦略
新庄監督の采配の一環として注目されているのが、日本球界の伝統的な常識を覆す“完投主義”だ通常、先発投手は中6日、100球までで交代することが一般的であるが、日本ハムではこの概念が変わってきている
データ・ボールの著者である広尾晃氏によれば、日本ハムの完投数は8月12日時点で21試合と圧倒的に多く、ソフトバンクは5試合、他球団すべて合わせても17試合しか完投していない
この完投数は、単なる“投手酷使”ではない
新庄監督は投手の負担を軽減するために、エースの伊藤大海を中6日でフル回転させつつも、他の先発投手は間隔を広げて登板させている
これにより、救援投手の負担を軽減し、好循環を生むことに成功している
新庄監督の柔軟な起用法によって、試合ごとに完投できる投手を見極め、その時々に最適な選手を起用することで成果を上げている
投手の投球効率を示す「P／IP」指標でも、先発完投している投手は優秀な数値を維持していると広尾氏は言及している
新庄剛志監督の采配は、プロ野球の常識を覆すアプローチによって日本ハムを勝利に導いている。特に「完投主義」は、投手の疲労を軽減しつつ、試合の重要な局面で選手を最大限に活かす方法として注目されている。その戦略が実を結んでいることは明白であり、今後の試合においてもこの戦術がどのように機能するかが楽しみだ。
キーワード解説
- 新庄采配とは？: 新庄剛志監督による、独特で斬新な選手起用や試合運営のスタイルを指す。
- 完投主義とは？: 先発投手が試合を完投することを重視する考え方で、通常は中6日などのローテーションに縛られない。
- P／IPとは？: 投手が1イニングあたり投球にかかる球数を示す指標で、15球以下が優れた投球とされる。
