【タカのこだわり】
大阪・大阪桐蔭高から2024年にドラフト1位でソフトバンクに入団した前田悠伍投手(20)は、今季プロ初勝利を挙げました将来のエースとして期待される左腕は、最高のパフォーマンスを発揮するために欠かせないアイテムを手に入れています
それは、両親から贈られたオーダーメイドの「枕」です
プロ入りの際に重要視したのは、質の高い睡眠です
「最低でも8時間、登板前日は10時間くらいは寝たい
最高のパフォーマンスを出すため、睡眠は非常に大事な要素だと思います」と語る前田投手
現在使用しているこの特注の枕は、ソフトバンクに入団する直前の2023年12月、地元・滋賀県長浜市の寝具店で作ったものです
この店では、専用の機器を使って頭から足先までの凹凸を計測し、寝る姿勢になった時に、背中や尻がどの程度沈み込むかを調べて、枕の最適な高さを5ミリ単位で調整します
また、頭を置いた際の「くぼみ」具合も体形データを基に設計され、首や肩への負担を減らす工夫がなされています
前田選手は、遠征時にもこの枕を携帯しています
「頭の位置が上下に傾くことなく、自然に眠れるので、両親に本当に感謝しています」と語ります
加えて、体圧を分散するマットレスも使っており、店の代表を務める松村英祐さん(50)は「人生の約3割を睡眠に割くと言われています
それだけに、コンディション管理に役立てればと思っています」と話します
睡眠を重視した体調管理の成果は、球速の向上としても実証されています
球団によると、前田選手がプロ初勝利を挙げた7月13日の楽天戦と8月5日のロッテ戦での直球は、最速で2キロ以上、平均で3キロ以上向上しました
変化球のフォークも、最速で6キロ以上、平均で5キロ以上速くなるなど、この1年での進化が数値に現れ、倉野信次投手コーチ(50)は「一軍の戦力」と高く評価しています
チームはリーグ2連覇に向けて、優勝争いの真っ只中です
緊張感のあるマウンドを想像しながら練習に励む前田投手は、「勝って当たり前と言われるレベル」に到達することを目指しています
4日に20歳の誕生日を迎え、酒を飲むことができるようになったものの、彼は「今遊んでいたら、後で苦労する
今できることをやり、誰よりも努力しなければならない」と力強く語ります
両親の思いが詰まった大切な枕と共に、彼の挑戦は続きます
前田悠伍投手がオーダーメイドの枕を使用している事例は、アスリートの体調管理における睡眠の重要性を再認識させます。質の高い睡眠が確保されることで、彼の球速向上にも貢献するなど、具体的な成果も出ています。このように、細部へのこだわりが選手のパフォーマンスに与える影響を考えると、今後も注目すべきアプローチの一つです。
キーワード解説
- オーダーメイドとは?特定のニーズに合わせて作られたもので、通常の市販品にはない特別な機能やデザインを持つ商品です。
- 睡眠とは?身体と心を休めるための時間で、質の良い睡眠は健康を保つために非常に重要です。
- 体圧分散とは?体重を均等に分散させることで、特定の部位にかかる負担を軽減する技術です。
- 球速とは?投球時に投手がボールをリリースした瞬間の速度を表し、プロ野球選手にとって非常に重要な指標です。
- コンディション管理とは?選手が自己の体調を適切に保つための方法やプロセスのことで、競技力を維持するために重要です。

