チームとしては悔しい結末となったが、10月のシーズン最終盤に光を放ったのは2年目の右腕・権田琉成だ
近年、オリックスでは毎シーズン新たな中継ぎ投手が台頭しているが、その裏には前シーズンに活躍した投手たちが怪我や離脱するという課題が続き、その中で権田の存在は特に重要性を増している
10月1日、京セラドーム大阪での西武戦において、オリックスの先発投手エスピノーザが2回に左脇腹を負傷し、緊急降板することとなった
思わぬアクシデントでマウンドを託された権田は、突然の出番にも関わらず、2イニングをパーフェクトに抑える好投を見せた
権田は、「緊張はしていなかった
ブルペンでキャッチボールをしながら、自分の投球に集中することを決めていた」と語り、その冷静さが結果につながった
権田は初めてのヒーローインタビューで「率直にすごく嬉しい」と笑顔を見せ、その後「豪速球はないが、打ち取れるピッチングができた」と淡々と振り返った
将来像については「とてつもないピッチャーになります」と自信をもって述べ、記念すべき初勝利のボールを「両親に渡します」と言った
昨年の同じ日、権田はルーキーイヤーで初めて一軍登録された日であったが、登板機会はなかった
今年の同じ日、今度は自らの右腕で結果を残し、プロ入りの新たなページを刻んだことが大きな意味を持つ
プロ初登板は4月23日のソフトバンク戦であったが、その後9回登板を重ねるも、8月からはファームでの調整期間を経て基礎を見直した
「平井コーチや牧野コーチとともに話し合い、良い方向に向かう努力ができた」と権田は述べ、課題克服への意欲が伝わる
2023年ドラフトで社会人のTDKから7巡目指名を受けた権田は、入団時には同期の髙島泰都、古田島成龍と共に「TKGトリオ」として注目を集めた
髙島と古田島は一足早く一軍戦力となったが、権田は昨季の結果が悔しさをもたらしていた
今回の初勝利は、同期と肩を並べる重要なステップとなった
この日、ベンチ外だった髙島は「初勝利おめでとう!一軍にTKG3人集まって活躍しよう!」とメッセージを送り、古田島も「権田の勝利が本当に嬉しい」とエールを送った
権田のこの1勝は、オリックスにとって来季への希望の光となることだろう
権田琉成のプロ初勝利は、彼自身にとって大きな自信となるだけでなく、オリックス・バファローズにとっても来季の明るい展望を示すものである。中継ぎ投手としての役割を果たすべく努力し続けた彼が、思い出深い日に初勝利を収めたことは、今後のさらなる飛躍にもつながるはずだ。
キーワード解説
- クライマックスシリーズとは?:プロ野球の postseason で行われるプレーオフを指します。このシリーズでの結果が最終的に日本シリーズ進出の決定に影響します。
- ヒーローインタビューとは?:試合での活躍が目立った選手を対象に行われるインタビューで、ファンやメディアの注目を集めます。
- 中継ぎ投手とは?:試合の途中で登板し、主に先発投手が疲れた際に代わりに投げるピッチャーです。試合の流れを変える重要な役割があります。
- 登板とは?:プロ野球において選手が試合で投げることを指します。選手の成績や調子を示す重要な要素です。

