彼の名前が呼ばれた瞬間、会場内は大きなざわめきに包まれた
藤川は、競合ドラフト1位となった石垣元気投手(健大高崎)に次いで、高校生投手として2人目のドラ1指名となった
藤川投手の実力と投球スタイル
藤川は春先から評判が高く、特に5月には明徳義塾との招待試合で彼の才能が証明されたこの試合で藤川は3回からロングリリーフとして登板し、7回4失点という成績を残した
ここで彼は内外角、高め低めを巧みに使い分ける実戦力を見せた
安定したパフォーマンスを発揮
夏の大会でも藤川は3試合に出場し、17.2回で21奪三振、4失点という圧倒的な成績を収めた今年のドラフト候補の高校生右腕の中には出力やフォームの崩れのある選手が多い中、藤川はいつでも安定したパフォーマンスを示していた
投球フォームの特長
藤川の投球フォームは、軸足にしっかりと体重を乗せ、縦回転で投げるスタイルが特徴である体重移動がスムーズで、無駄な力が入っておらず、体の回転が横振りにならないため、ボールの抜けも少ないという利点がある
彼の速球は常時140キロ台中盤から後半で、手元でぐっと伸びる感覚を与えるホップ成分の高いストレートだ
多彩な変化球
藤川は速球だけでなく、カーブ、フォーク、スライダーなどの変化球も丁寧に投げ分ける能力を持っており、カーブで追い込んでからのストレートによる三振や、フォークを決め球に使った打者を打ち取るパターンも確立している今後の期待とキャリアの展望
高卒1年目は主に体作りが求められる出力と球速の向上、さらには変化球のレベルアップを図ることになるだろう
近年、プロ入り直後から急成長を遂げる高校生投手が現れる中、藤川も同様の進化が期待できる
1年目には苦労もあるかもしれないが、怪我なく順調に成長すれば、2年目からの一軍登板の可能性も見えてくる
西武・平良海馬投手のように先発、リリーフとどちらでも活躍できる選手となる可能性を秘めている
オリックスは、藤川を含む高校生を5人もドラフト指名した
ロマンを追求するオリックスにとって、藤川は将来のエースとしての育成を期待される逸材であり、彼の成長を見守ることはファンにとっても楽しみである
藤川敦也投手のドラフト1位指名は、その実力に対する期待を示すものである。特に、投球フォームや実戦力に関する評価が高いことから、今後の成長が楽しみである。オリックスの若手育成方針にも合致しており、藤川がどのようにプロの世界で活躍するか注目したい。
キーワード解説
- ドラフト:プロ野球選手を選ぶための選考会で、各球団が選手を指名すること。
- 右腕:投球する際に右腕を使う投手のこと。
- 速球:速いスピードで投げられる直球のこと。
- 変化球:曲がったり沈んだりするボールで、三振や打ち取るのに使われる。
- 一軍:プロ野球チームの中で最もレベルの高い選手が集まるチームのこと。

