デフリンピックに向けて、手話をAIで文字化する新技術の開発が進行中

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 2025年11月15日に開幕する「デフリンピック東京大会」にあわせて、耳が聞こえない人々が円滑にコミュニケーションできる新たなツールの開発が進められている

この技術の中心にはAI(人工知能)があり、手話とAIの融合によってどのようなコミュニケーションが可能になるか、期待と課題について探っていく

手話を瞬時に文字に変換するシステム

 ソフトバンクが開発中の「SureTalk(シュアトーク)」は、カメラ付きタブレット端末を利用して、リアルタイムで手話を文字に変換するシステムである

手話とは、手や体の動きによって表現される言語で、目で見て理解するため、聴覚障害者にとって非常に重要なコミュニケーション手段だ

 実際の使用例として、ホテルでの予約確認を行うシーンを想定したデモでは、タブレットのカメラが手話を読み取り、AIがその動作を分析して、対応する日本語に翻訳し表示する仕組みが見られた

国際手話や米国手話も学習

 デフリンピックには、世界中から3000人以上の選手が参加する予定で、宿泊先のホテルではシュアトークが導入される

田中課長によれば、「国際手話」と「米国手話」をAIに学習させることで、表示する文章は日本語だけでなく、英語、フランス語など10か国語に拡充されたという

 なお、この技術はデフリンピックを想定して開発されたものではなく、元々は同社の社員間での「コミュニケーションの壁」を取り除くために着手されたものである

特に、会議などで聴覚障害者の意見をリアルタイムで反映させることが難しいという課題を解決するための取り組みである

今回のソフトバンクの取り組みは、聴覚障害者の方々にとって大きな希望となる技術である。このような技術が普及すれば、より多くの人々が気軽にコミュニケーションを取れるようになり、社会とのつながりが深まることが期待される。しかし、システムに依存しすぎることなく、手話や文化への理解も重要だと感じる。
キーワード解説

  • デフリンピックとは?聴覚障害者のスポーツイベントで、4年に1度開催される。
  • AI(人工知能)とは?人間のように学習・推論・判断を行う技術のこと。
  • 手話とは?耳が聞こえない人が使う言語で、手や顔の動きで感情や意見を表現する。
  • リアルタイム翻訳とは?発言を即座に別の言語に変換する技術のこと。

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