鮮烈デビューを飾った者、プロの壁にぶつかり苦戦をした者、低評価をはね返した苦労人まで――
まだ何者でもなかった男たちの駆け出しの物語をライターの中溝康隆氏がつづっていく
福留の進言で上位指名
「カラスの泣かない日はあっても、岩瀬の出ない日はない」 かつてルーキーイヤーにそう称された鉄腕がいた中日ドラゴンズの岩瀬仁紀である
愛知大時代には、今でいう「二刀流」サウスポーとして知られ、巧打の外野手としても名を馳せていた
通算124安打を記録し、4度の外野手ベストナインに選出された経験を持つが、惜しくも1本のヒットに届かなかった
この壁を感じ、野手としての能力に見切りをつけた岩瀬は、社会人野球において投手としての道を選ぶ
岩瀬は、愛知出身で熱烈な中日ファンであった
大学4年時の秋には、ナゴヤ球場で行われた入団テストに参加せず、一般のファンとともにスピードガンコンテストに挑戦した
この出場理由は、「中日ファンだったこと」と「誰もマークしたことのない140キロを出して、球場を驚かせたかった」からだった
しかし、ウオームアップもせず全力投球したため、肩を痛める危険も抱えていた
当時の気持ちを岩瀬は振り返り、「あの時、完全に痛めていたら……」と語っている
大学時代には通算打率.323の野手としての評価もあったが、1997年にNTT東海へ進むこととなり、そこで森昌彦投手コーチから教わった「高速スライダー」が岩瀬の運命を変える
この技術を駆使し、名門チーム相手に続々と完封勝利を挙げ、社会人屈指のサウスポーとして頭角を現していった
日本代表合宿で岩瀬と対戦した福留孝介は、その圧倒的な投球に感銘を受け、中日スカウトに岩瀬を1位指名するよう進言する
福留は、「岩瀬さんがどうしても1位でと言うのなら、僕は2位でもかまいません」と言った
スライダーだけでなく、岩瀬が得意としたシュートについても福留は触れ、「左投手が右打者の外角に、あれほど精度の高いシュートを投げるのは初めて見た」と絶賛している
岩瀬はその才能を以て、後に大きな成功を収めることになる
この記事では、中日ドラゴンズの岩瀬仁紀選手のルーキーイヤーについて詳細に紹介されています。小さなことから積み重ねて、素晴らしい投手として成長していく過程が描かれていて、特に若い選手たちにとって、彼の経験は大いに参考になるでしょう。
ネットの反応
コメントの内容を見ると、岩瀬仁紀選手に対する多くのファンの称賛が寄せられています
特に彼が長年にわたり中継ぎや抑えとして活躍していることは珍しく、その持続力や実力に感心する声が目立ちます
また、2007年の日本シリーズでの完全試合リレーの際に胴上げ投手となった瞬間について言及し、プレッシャーの中で冷静に仕事をし続ける姿勢がプロ魂として評価されています
岩瀬選手は謙虚な性格であり、偉ぶらない態度もファンから好感を持たれているようです
さらに、彼が街中で普通の一市民として過ごす姿が印象的で、周囲の人々に気づかれない「普通の青年」としての一面にも触れられています
また、99年の中日ドラゴンズのリリーフ陣の多彩さや、岩瀬選手の「真のMVP」としての貢献についても賛同する意見が多く、彼が当時のチームの重要なピースであったことが再確認されています
さらに、98年のドラフトの成功や岩瀬選手と同年代の選手の活躍についても言及され、当時の投手陣の実力がしっかりと評価されています
総じて、岩瀬選手の偉大な記録と人柄に対する多くのファンの尊敬の念が感じられるコメントが寄せられています
ネットコメントを一部抜粋
中継ぎ、抑えでこれだけ長く活躍する投手は本当珍しい。
岩瀬仁紀投手といえば2007年の日本シリーズで完全試合リレーで日本一を決めた時に見事に三者凡退に抑え胴上げ投手になった時の事を思い出します！
デビュー戦でメッタ打ちにあい、青白い顔でマウンドを降りたピッチャーがその後に数々の大記録をつくり「野球殿堂」入りを果たした。
岩瀬さんもスゴいが日ハムの宮西投手もスゴい！
岩瀬の現役時代、中日は何度か優勝してるが、MVPに選ばれたことがないのが惜しまれる。
キーワード解説
- 二刀流とは？プロ野球やメジャーリーグにおいて、投手と野手の両方で活躍する選手のことを指します。特に最近では大谷翔平選手が有名です。
- スライダーとは？野球の投球術の一つで、ボールが右に曲がるように回転を加えて投げるものです。主に打者を欺くために使われます。
- シュートとは？野球の投球の一種で、内角に投げる球ですが、打者にはストレートとして見えることがあります。投球者が持つ独特の球種です。
