2番手で5回から登板し、3回を無安打無失点で抑えた
田上は「四球は出したけど、決め球はきちんと投げ切れたし、直近の3試合は手応えが出てきた」と登板を振り返った
この日の登板では、5回に最速147キロの直球で空振り三振を奪取
続く打者を左飛で打ち取った後、四球を与えるも、続く打者を三邪飛で処理
6回には2者連続の空振り三振を含む三者凡退の完璧な投球を見せた
しかし、7回には2四球を出し、やや苦しんだものの結果的には無失点を維持
全体で40球を投げ、3四球を与えたものの毎回の4奪三振を記録した
田上の投球を見守った斉藤和巳3軍監督(47)は、「これぐらいの球は投げられる投手
出力的にも元々出るので、これからもっと上がってくれたら」と期待を寄せた
田上は昨季、発症率が成人で100万人に1人とも言われる難治性疾患「ランゲルハンス細胞組織球症」と診断され、病気から回復した後の10月に3軍戦に復帰登板
今季は育成契約を2度目に結び、ファーム非公式戦で着実に経験を積んでいる
「昨年は野球をやりたくてもできなかった
今は登板でうまくいかない時もあるけど、『俺、野球してるわ』と幸せを感じる」と、投げられる喜びをかみしめる田上の姿が印象的だ
川越英隆投手ファーム統括コーディネーター(51)は、「筋量などが(病気をする以前に)徐々に戻ってきた
それと同時に、調子も上がってきたので、体ができてきたら、もっと良くなる」と田上の成長を期待している
「手応えを感じてきた
もっと調子を上げて『自分もいるんだぞ』というところを、見せたい」と田上は意欲を燃やしながら、再び支配下入りを目指す
田上選手のピッチングは苦難を乗り越えた姿勢が感じられ、見ている人にも勇気を与える。特に、彼が無安打無失点の投球をしたことは、結果だけでなくその過程にも注目すべきだ。今後の成長が非常に楽しみである。
キーワード解説
- 育成契約とは?:プロ野球チームが育成枠を設け、選手に契約を結ぶこと。通常の選手契約と異なり、育成選手は支配下選手として登録されない。
- 無安打無失点とは?:投手が相手チームの打者から安打(ヒット)を許さず、且つ得点も与えないこと。
- ランゲルハンス細胞組織球症とは?:免疫系の異常によって生じる難治性疾患で、主に皮膚や骨に病変が見られることがある。
- 直球とは?:投手が最も基本的にはく球種で、ストレートとも呼ばれる。速さや力強さが重要。

