プロ野球の審判制度を振り返る:リプレー検証の導入とその影響

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【橘高淳 審眼(46)】私が審判員として活動していた時期のほとんどは、リクエストによるリプレー検証がない時代でした

リプレー検証とは、試合中に発生した判定の正否を、映像を用いて確認する制度で、2018年からプロ野球に導入されています

この制度が導入されるまでは、「ビデオ見て確認せんかい」と各球団の監督からの抗議が日常茶飯事でした

ビデオを確認しても判定が正しかった場合、その裏側で「審判が正しかったです」と報じられることはほとんどなく、抗議してきた監督もスルーされることが多かったのです

中には後日、「映像を見直したらあなたが正しかった」と言ってくれる監督もいて、そういったやり取りが審判を行う上での一つのやりがいにもなっていました

審判員としての私も人間ですから、いわれのない抗議や暴力に遭ったときは、怒りで寝られない夜もありました

しかし、時には監督同士が心配して声をかけてくれることもあり、人間同士の関係が築かれていることも大切だと感じました

また、いい投手が登板することは、試合の流れをスムーズに進めるためにも非常に重要です

私が特に印象深いのは、2005年頃の阪神で活躍した「JFK」と呼ばれる藤川球児選手、ジェフ・ウィリアムス選手、久保田智之選手のリリーフ陣です

藤川選手の投げるボールは素晴らしく、彼がマウンドに上がるとリリーフ失敗の不安はほとんどありませんでした

彼らの登板は審判員にとっても心強いものでした

今後のプロ野球においても、リプレー検証の制度は、更なるスポーツマンシップや公正さを醸成するきっかけとして、重要な役割を果たすことでしょう

リプレー検証の導入により、審判員と選手の間での信頼関係は築かれつつあります。特に、審判員は抗議や暴力にさらされることもある中で、監督と選手とのコミュニケーションが重要であることが分かります。また、優れたリリーフ陣の存在が試合の進行に与える影響も見逃せません。
キーワード解説

  • リプレー検証とは?試合中に発生した判定の正否を映像で確認する制度で、選手や監督が正しい判断を得るための手段となっています。
  • JFKとは?阪神タイガースの藤川球児、ジェフ・ウィリアムス、久保田智之の3人のリリーフ投手陣を指す略称で、彼らが登板する際の安心感から名付けられました。

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