これは低学年の選手たちにとって、野球を楽しむための重要な第一歩となる“成功体験”が必要であることを意味します
読売巨人軍野球振興部の倉俣徹さんが東京・町田市で行われたジャイアンツアカデミーの野球教室を通じて、指導方法のコツを解説しました
キャッチボールの前段階としての基礎トレーニング
教室には約30人の指導者と87人の低学年選手が集まり、「投げる・打つ・捕る」に分かれて指導が行われました「捕る」パートを担当した倉俣さんは、まずボール操作を行うコーディネーショントレーニングを実施
ボールを両手で持ち替えたり、体の周りを回したりすることで、選手たちの体の動きに対する柔軟性を養います
キャッチボールに至るまでの3段階の捕球メニュー
選手たちは次の3段階のメニューを経てキャッチボールに挑戦しました：| メニュー | 概要 |
|---|---|
| ゴロキャッチ | 低い姿勢でゴロを転がして捕る訓練 |
| トスキャッチ | 中腰になり、ノーバウンドでボールをおへその位置で捕る訓練 |
| バウンドキャッチ | 中腰でボールをワンバウンドさせ、おへその位置で捕る訓練 |
キャッチボールではボールを逸らしてしまう姿も見られましたが、選手たちは10回ずつのセッションをこなしていくことで達成感を得ながらトレーニングを続けました
分習法による段階的な技術習得の進め方
倉俣さんは「いきなりキャッチボールを開始すると子どもたちがボールを怖がったり、球拾いになることが多い」と指摘しました子どもたちには「できる」という成功体験が大切で、レクリエーションを楽しむためにはこの体験を積む必要があります
簡単な動作から始まり、少しずつ難易度を上げていくことで、子どもたちの集中力も高まると倉俣さんは言います
たとえば、キャッチボールの開始距離を1〜2メートルから徐々に塁間の距離まで延ばし、安全に指導を続けるためのルールを設けることが大切です
また、メニューのバリエーションを豊富にし、「分習法」を取り入れることで、選手たちに多くの機会を与え、ボールタッチの回数を増やします
倉俣さんは「指導者や保護者が多くのトレーニングメニューを知ることで、家庭やチームでもこの教えを活かして欲しい」と期待を寄せています
低学年向けの野球指導において、キャッチボールの難しさを考慮し、成功体験を重視するアプローチが重要であると感じました。トレーニングの進め方を「分習法」と称して段階的に教えることで、子どもたちのモチベーションを保ちつつ技能を向上させることができる点は、今後の指導の参考になります。
キーワード解説
- 成功体験とは？成功体験とは、自分ができたことを通じて得られる満足や自信のことを指します。初心者にとっては、この成功体験が次のステップへの意欲を生み出します。
- 分習法とは？分習法は、動作や技術を小さく分けて教える指導方法のことです。この方法を使うと、選手がステップバイステップで技術を習得しやすくなります。
- コーディネーショントレーニングとは？コーディネーショントレーニングは、手や足をうまく使うための体の動きを養うための訓練です。スポーツにおいて、運動能力の向上に大きく寄与します。
