オリックス・安達コーチがIBD患者との交流イベントを実施

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オリックス・安達コーチがIBD患者との交流イベントを実施

昨季限りでプロ野球選手としてのキャリアを終え、現在はオリックス・バファローズの内野守備走塁コーチを務める安達了一氏(37)が、6月29日、京セラドームで開催された楽天戦に先立ち、潰瘍性大腸炎(IBD)の患者とその家族たちとの交流イベントを実施しました

安達コーチ自身は、プロ入り5年目の2016年にこの病気を発症

その後も現役として通算1176試合に出場し、そのうち約半分となる537試合を病気を抱えたままで記録しました

この病気は、厚生労働省が指定する難病の一つであり、腸内の炎症が慢性的に続くため、様々な健康上の問題を引き起こします

彼は当初、病気が発覚したことで非常に大きなショックを受け、「一度野球を忘れよう」と医師からも言われたことを振り返りました

しかし、周囲のサポートを受ける中で、再び野球を続ける意欲を取り戻し、復帰後は正遊撃手として打率・380を記録し、月間MVPにも選出されるなど輝かしい実績を重ねました

この交流イベントには、潰瘍性大腸炎とその関連疾患であるクローン病の患者とその家族ら約50人が参加し、安達コーチも自身の体験を共有しながら、参加者との親密なコミュニケーションを図りました

安達コーチは現在、症状が比較的落ち着いているとしながらも、プレッシャーのかかる選手時代には様々な工夫をしてきたことを述べました

例えば、移動にタクシーを利用したり、食事を改善したりするなど、日常生活に工夫を凝らしていたとのことです

また、彼は2021年以降、出場試合に応じて特定非営利活動法人「日本炎症性腸疾患協会」に寄付を行っており、こうした活動を通じて同じ病に苦しむ人たちへのサポートを続けています

安達コーチは「選手に安心してもらえるように」との思いで、一塁コーチとしてチームを支えています

安達コーチのように自身の経験を通じて、並外れた努力を重ねる姿は、多くの人にとって励みになるものです。病気と闘いながらも、周囲の支えを受けて再起を果たした彼のストーリーは、同じ病に苦しむ人々にも希望を与えます。
キーワード解説

  • 潰瘍性大腸炎とは?食事やストレスなどが原因で腸に炎症が起こり、腹痛や下痢などの症状を引き起こします。
  • クローン病とは?消化管全体に炎症を引き起こす病気で、腹痛や体重減少などの症状があります。
  • 月間MVPとは?プロ野球でその月の優秀な選手に与えられる賞で、特に成績が優れた選手が選ばれます。

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