広島の高校野球期待のエース、曽根弘信さんが被爆の記憶を語る
2025年7月5日、全国高校野球選手権広島大会が開幕し、原爆投下から80年の節目を迎えた今年の大会では、被爆の記憶や復興の思い、平和への願いを伝えるため、広島商の元エース、曽根弘信さん（85）が現役の球児たちにその思いを語りました
曽根さんの被爆体験
曽根さんは、1945年8月6日、爆心地から約6キロ離れた場所で被爆しました母親から「家に戻れ」と促され、防空壕に逃げ込んだ瞬間、爆発音が響いたと語ります
「ピカドン」という表現でその恐怖を伝え、周囲の静けさに心の傷が残ったことを思い出します
戦後の生活と野球
戦後、曽根さんにとって楽しみは野球でした彼は中学時代に投球術を学び、広島商野球部に入部します
多くの苦しみを共有した仲間たちとの絆が、野球への情熱を倍増させました
被爆の影響で身体にケロイドが残った仲間もいましたが、それらの痛みを互いに理解し合う関係が築かれていました
甲子園での栄光とその後
広島商は、57年の全国大会で接戦を制し甲子園に進出しました決勝戦で法政二を破り、優勝を果たすと、曽根さんはその瞬間を「貧しい中での喜びだった」と振り返ります
父親が胃がん闘病中であった中、スタンドでの応援を受けたことも忘れられない思い出です
現在の球児へのメッセージ
曽根さんは「練習に真摯に向き合い、チーム力を高めることが大事だ」と現代の若者たちに伝えたいとし、野球を通じて人生を豊かにする姿勢の重要性を語りましたまた、「原爆の恐怖を忘れず、二度とこのような惨事が起こらないよう願っている」と切実な思いを語りました
まとめ
彼の言葉からは、困難に立ち向かうための姿勢や仲間との絆がどれほど重要であるかを感じ取ることができ、若い世代への教訓となるでしょう
キーワード解説
- 全国高校野球選手権とは？全国の高等学校の野球選手が集まり、日本一を決定する大会です。
- 原爆とは？1945年に広島と長崎に投下された核兵器で、多くの人命が失われ、地域に甚大な影響を与えました。
- 広島商とは？広島県にある高校で、戦後初めて全国制覇をした名門です。
- ケロイドとは？皮膚が傷ついた後にできる盛り上がった傷跡のことで、傷が癒えた後もずっと残ることがあります。
