プロ野球「グラブの神様」江頭重利さんの功績を振り返る

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2012年度の「現代の名工」に選ばれた久保田運動具店元福岡支店長の江頭重利(えがしら・しげとし)さんが、5月23日に92歳で死去した

江頭さんは「グラブの神様」として知られ、石毛宏典さんや辻発彦さんをはじめとする多くのプロ野球選手たちのグラブを手がけ、その技術と情熱で数々の名選手を支えてきた

彼の功績は、野球界の中で今もなお語り継がれている

江頭重利さんのグラブ制作の技術

江頭さんが手がけたグラブは、使用される革の質や形状へのこだわりが際立っていた

特に、「共革(ともがわ)」と呼ばれる革を使用したグラブが現在の主流であるが、江頭さんは以前、指を突っ込む部分に鹿革を使用することもあった

この鹿革は柔らかさやしっとりとした触感が特徴だが、傷みに弱く、汗の影響を受けやすいのが難点である

選手たちとの関わり

福岡ソフトバンクホークスの本多雄一選手は、そのグラブに対して非常に高い信頼を寄せており、「手の一部」と称している

彼はグラブのフィッティングに関して、権藤裕徳さんと密接に連携してきた

本多選手は、試合前後にグラブについて相談を行い、シーズンオフには次のシーズンに向けての準備も怠らない

守備への影響

本多選手はグラブについて「安心感がある」とコメントし、これが彼の守備力にどれほど寄与しているかを示している

グラブによる安定感はプレーに集中できる環境を提供し、余計な心配をする必要がなくなるという

未来のゴールデングラブ賞
ホークスでの二塁手としては、本多選手以来のゴールデングラブ賞が約4年ぶりに待たれている

江頭さんの直系のグラブを使用する選手たちが、彼の技術を受け継ぎ、さらなる飛躍を遂げることに期待が寄せられる

江頭さんの人生と技術の軌跡を通して、次世代も彼の精神を受け継いでいくことが望まれる

江頭重利さんの功績を振り返ることで、彼がプロ野球界に与えた影響の大きさが再認識される。特にグラブという道具が選手のパフォーマンスにどれほど重要か、その専念が選手たちの成功と喜びを支えていたことがわかる。江頭さんの技術や精神は、今後も多くの選手たちに受け継がれていくことを期待したい。
キーワード解説

  • グラブとは?野球選手がボールを捕るために使用する道具で、捕球やスローイングのパフォーマンスに大きな影響を与える。
  • 共革とは?表と内側の部分が牛革で作られているグラブのことで、特に耐久性や弾力性が優れているとされる。
  • ゴールデングラブ賞とは?野球において守備力が特に優れた選手に贈られる賞で、その年の最高の守備を評価される。

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