阪神タイガースのデザインの歴史を探る展覧会が開催中

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今年、創設から90周年を迎える阪神タイガースをテーマにした展覧会「野球とデザイン―デザインで辿(たど)る阪神タイガース」が、兵庫県西宮市の西宮市大谷記念美術館で開催されています

この展覧会は7月27日まで行われ、阪神タイガースのデザインの軌跡を振り返る機会を提供しています

阪神タイガースのシンボルである猛虎のマークや、ユニフォームに刻まれた「Tigers」の字体は、球団創設当初からほとんど変わっていない点が注目されています

これらのデザインを手がけたのは、阪神電鉄に勤めていたデザイナーの早川源一氏です

彼は当初、会社のポスターや沿線案内のパンフレットといった、広範なデザイン仕事を担当していました

展覧会を企画した下村朝香学芸員は、現代のデザイナーとの違いを指摘します

「現在のデザイナーは、顧客の要望に応じて、さまざまな素材を取り入れて全体をまとめるアートディレクションが重要な役割となっています

しかし、早川さんは、イラストや文字、そして全体のデザインを一手に担当していました」と語ります

また、長い歴史の中ではデザインに揺らぎも存在しました

かつて使用されていた球団旗は、今と同じ黄色と黒の縞模様に猛虎のマークが描かれていますが、そのデザインは現代のものとはかなり異なります

下村学芸員によると、「ダメ虎」とも評されるその旗は、デジタルデータが存在しない時代、原画を写し取る過程で、猛虎の表情が徐々に変化してしまった可能性があるとのことです

早川氏は阪神電鉄を退職後も、選手を題材にしたポスターのデザインなどを手掛け、阪神タイガースに携わる活動を続けました

阪神タイガースは、12球団の中でも草創期からユニフォームデザインに大きな変更がない数少ないチームです

このことは、早川氏のデザインがいかに完成度の高いものであったかを示しています

阪神タイガースの90周年を祝う本展覧会は、デザインの視点で球団の歴史を深く掘り下げています。特に早川氏の独自のデザインプロセスと、その後の変化には興味を引かれます。元々のデザインとその変容を一緒に見れることで、ファンだけでなく一般の人々も阪神タイガースを新たな視点で理解することができるのではないでしょうか。
キーワード解説

  • デザインとは?デザインは、物や情報を視覚的に表現し、美しさや使いやすさを追求する技術や芸術のことです。
  • ユニフォームとは?ユニフォームは、特定のチームや組織で着用される制服のことを指し、識別や団結を目的としています。
  • アートディレクションとは?アートディレクションは、視覚的なプロジェクトにおいて全体のビジュアルをまとめる役割のことを言います。

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