しかし、30〜40年前には「暗黒時代」と呼ばれる厳しい時期を経験していた
この状況を語るのは、1970年代に電撃トレードで阪神に入団した江本孟紀氏である
彼は著書『阪神タイガースぶっちゃけ話 岡田阪神激闘篇』において田淵幸一選手のトレードの詳細を語っている
トレードの背景と詳細
田淵幸一さんは法政大学の先輩にあたる江本氏とともに優勝を経験した名選手であったしかし、1978年11月15日に突然、トレードが発表された
この日は江本氏、古澤憲司さん、田淵さんがマージャンをしていた時だった
夜11時半頃、田淵さんの奥さんからの電話が鳴り、球団事務所に急ぐこととなった
その車の後姿には戸惑いと寂しさが見えた
阪神の情報管理に対する疑問
このトレードの発表は江本氏を驚かせた数時間前に「来年はさらに頑張ろう」と話していた田淵さんに、突然のトレード話が出てしまったからだ
関西マスコミにはトレードの情報が先に流れており、「いったい、阪神の情報管理はどうなっているんだ」と彼は憤ったという
このトレードによって、西武ライオンズが新たに4名の選手を獲得する一方で、田淵さんは新天地での挑戦を余儀なくされる新たな局面を迎えることになった
田淵幸一選手のトレードは、プロ野球史に残る衝撃的な出来事と言える。江本氏が語るように、信頼関係の中で進められていた話が間違って報道されることで選手本人の不安を招く状況になったことは、情報管理の重要性を再確認させる事例である。チームの動きや選手の気持ちを配慮しながら、より慎重に進める必要があるだろう。
キーワード解説
- 電撃トレードとは?選手が突然他のチームに移籍することを指し、通常は選手間の契約や合意がない中で決定される。
- 情報管理とは?組織が持つ情報をどのように保管し、外部に知らせないようにするかという管理のこと。

