1970年代に電撃トレードで阪神に入団した江本孟紀氏が著書『阪神タイガースぶっちゃけ話 岡田阪神激闘篇』の中で、多くのファンが抱く疑問に答えている
この本は全9回で構成されており、今回はその内容の一部を紹介する
「吉田派vs.村山派」は本当に存在したのか
江本氏は、現役時代や引退後に多くのプロ野球ファンから聞かれる質問として、「阪神って気難しい球団なんですか?」というものがあると述べるその回答の中には「吉田派と村山派があって、どちらかに入らなければならないのですか?」といったものが多く、実際に彼が阪神に加入して確かめたところ、そんなものは全く存在しなかったと語った
特定の選手間の評価や派閥が実在するという報道は、噂レベルのものだったとのことだ
噂の発端とマスコミの影響
「吉田派」と「村山派」という言葉が広まった理由について、江本氏はマスコミの報道に起因することが多いと指摘する特に、村山さんが選手兼任監督として厳しい状況にあった1972年に、選手の不満が書かれた記事が拡散されたことがそのきっかけだという
その後、正確な情報ではない憶測が飛び交い、吉田さんと村山さんの間に派閥があるように描かれてしまったのだ
人間関係の複雑さ
江本氏は村山さんと多くの対話を持ったが、彼が特定の選手を贔屓にするような人物ではなく、むしろ選手の立場を尊重する姿勢を持った人物であったと述べているまた、吉田さんについては、彼のグラウンド外での振る舞いが一部の選手から敬遠された事例もあったと明かしている
噂にまつわる真相は、フロントやコーチではなく、マスコミ内に存在していた可能性が高いということだ
阪神の未来
現在の阪神タイガースは、着実に成長を続けており、かつての暗黒時代から脱却しつつある過去の暗い記憶を振り返ることも重要だが、これからの戦いに期待を寄せつつ、チームの結束力がより一層強まることを願う声も多い
阪神タイガースにおける「吉田派」と「村山派」の存在についての噂は、江本孟紀氏の証言によると実際には存在しなかったことが明らかになった。過去の報道が取り上げた憶測によるもので、選手たちは派閥の中で区分されるようなことはなかった。噂による誤解がいかに広まりやすいかを示している。
キーワード解説
- 吉田派とは?阪神タイガースにおいて吉田義男氏を支持する人々の集まりを指し、選手やファンの間での一種の立場を表す。
- 村山派とは?村山実氏を支持する人々のことで、阪神タイガースの選手や関係者の中での派閥を示す表現。
- 暗黒時代とは?阪神タイガースが低迷していた時期、主に1970年代から1980年代にかけてを指し、成績が非常に悪かった。

