今大会では、猛暑対策として開幕3日前から競技日程が大幅に変更され、トラック種目は全て「タイムレース決勝」で実施されることとなった
この「タイムレース決勝」とは、事前に設定された標準記録をもとに、予選を経ずに実施される決勝形式で、参加者はその能力に応じた組に分けられて競争する方式である
800mまでは予選・決勝が実施され、1500m、男子5000m・女子3000m、男子3000m障害、5000m競歩に関しては、予選なしのタイムレース決勝で行なわれた
スタートリストは、各選手の資格記録によって再編成されるため、各種目の真剣勝負が期待される
また、フィールド種目では試技に制限があり、特に混成競技でも変更が加えられた
これにより、高校生選手たちは新しい形式のもとで頂点を目指すこととなった
男子1500mでは、最終4組が高校歴代10傑のうち4つが更新されるという超高速レースが繰り広げられた
スタートから驚異的な走りを見せたフェリックス・ムティアニ(山梨学院3)は、22年ぶりの大会新記録となる3分39秒20で1位を獲得し、見事に2連覇を達成
一方、2位の新妻遼己(西脇工3兵庫)は高校歴代3位となる3分40秒83、第3位の山本聖也(高知農3)は高校歴代5位の3分42秒05を記録
続いて、吉田星(東海大札幌2)は高2最高の3分42秒27、5位の小林環(静岡東3)は同9位の3分43秒50を記録するなど、質の高いレース内容となった
その後も女子ハンマー投では長谷川有(花園3京都)が逆転優勝を果たし、男子ハンマー投では大川巧(久居3三重)が65m23での勝利を収めた
このほか、男子4×100mリレー予選でも北海道栄が今季高校最高記録となる39秒77をマークし、女子4×100mリレーでも伊奈総合(埼玉)が歴代5位の45秒39を記録するなど、新たな記録が次々と生まれた
男子1500mでの超高速レースは、多くの高校生選手たちの努力と才能が結集した結果と言えます。特に、記録が続々と更新される様は、競技のレベルの高さを示しています。新しい形式のタイムレース決勝により、選手たちが一堂に会したことでお互いに競争意識を高め、より素晴らしいパフォーマンスが生まれたのではないでしょうか。
キーワード解説
- タイムレース決勝とは?:競技において予選を行わず、選手が事前に設定された記録をもとに一斉に決勝を行う形式のこと。
- 大会新とは?:大会において、この大会内での最速や最高の記録を更新することを指す。
- 高校歴代10傑とは?:特定の競技において、高校生が残した歴史的な成績の上位10位までを指す。

