高校野球地方大会が佳境、プロスカウトが直面するドラフト候補選手の少なさ

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夏の高校野球地方大会が佳境に入り、NPB(日本プロ野球)スカウトたちの視察も最も活発な時期となりました

炎天下での観戦となるこの時期、スカウトたちは厳しい環境下でも未来のスター選手を見極めるために東奔西走しています

しかし、スカウトたちの口からは、厳しい現状が語られています

「高校生ドラフト候補としての選手が例年よりも少ない印象があります

育成選手ならいくつかの良い選手はいますが、支配下選手ともなると数が限られています

実際、欲しい選手が早々にプロ志望届を提出しない方針を示しているのが痛い運営事情です」と、あるパ・リーグ球団のスカウトは言います

そのふたりの選手とは、愛知県代表の最速151キロを誇るサウスポー、芹澤大地選手と、春の選抜甲子園で横浜を制したキャプテン、阿部葉太選手です

スカウトによれば、芹澤選手は名門の社会人チームへの進学を希望しているとのこと

一方で、阿部選手も推薦で名門大学へ進学する意向が強いそうです

「二人ともドラフト1位指名されるポテンシャルを持っていますが、アマチュア側との信頼関係もあるため、進路がはっきりしている選手に対しては手を出すことが難しい状況です

芹澤選手は3年後、阿部選手は4年後にプロ入りが解禁となるのを待つしかないでしょう」と、スカウトは苦しい胸の内を表しました

選手獲得のため、逆転の発想で強行指名を狙う選手もいる一方で、信頼関係が重視されるスポーツ界においては、長年の人間関係を壊すリスクも孕んでいます

かつて、名門社会人チームに内定した有望投手に強行指名をした球団は結局その選手のおかげで日本一に輝くも、事を起こしたスカウトは厳しい目に遭ったという教訓もあります

注目されていない選手の中にも隠れた才能を見出すことがスカウトの腕の見せ所で、秋のドラフト会議までその奮闘が続くことでしょう

高校野球の教育環境が厳しい中、本気でプロを目指す選手とそれを見守るスカウトとの関係性が深まっていることが伺えます。選手の将来が関わるシビアな現実を感じさせられる内容です。
キーワード解説

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