震災からの復活を遂げたソフトバンク育成ルーキー・塩士暖投手の挑戦
福岡ソフトバンクホークスは、育成ドラフト13位で塩士暖投手(19)を指名した選手の背景にあるストーリーが注目を集めている塩士は石川県能登地方で発生した震度7の地震に見舞われ、その経験が彼の野球に対する思いを強めたと言われている
震災がもたらした転機
2024年元日、石川県能登半島を震度7の地震が襲った高校2年生だった塩士は当時、家族と自宅で過ごしていた
彼は「1年間、震度1、2の揺れがあり、いつ大きな地震が来るのかを話していたが、震度5強が襲ったとき、その後に続く更なる揺れは地獄のようだった」と語る
地震によって学校が休みとなり、彼は後輩の家に避難しながらも、野球の練習環境を確保した
この経験が彼の野球人生に大きな影響を与えた
名将の言葉と成長への道
塩士は中学時代は主力選手とは言えず、悩みながらも野球を続けてきたそんな彼に目をかけたのが、星稜高校で監督を務めた山下智茂氏だ
山下氏は塩士に「君は3年後にプロへ行ける」と告げ、彼の心に希望を灯した
この言葉を胸に、塩士は毎日の練習に励み続けた
プロ野球デビューを目指して
2024年10月24日、塩士はソフトバンクから育成指名を受け、プロの道を歩み始めたルーキーイヤーの8月、彼は柳田悠岐や今宮健太、栗原陵矢とライブBPで対戦する機会を得る
経験を重ねることで、塩士は直球の球速を149キロまで更新し、実力がついてきたことを実感した
未来への意気込み
「支配下登録と1軍定着」を目指す塩士は、「アピールして2軍定着をつかみたい」と将来への決意を新たにしている自身の成長を信じ、直球を武器にさらなる高みを目指して挑戦を続ける
選手たちからの評価
今宮選手は塩士の球速について「140キロという感じではなかったが、投げっぷりが良かった」と評価し、栗原選手も「独特で、高めで空振りを奪える球質が凄い」と賛辞を贈っているこれらのコメントからも、塩士の才能に対する期待が高まっていることが窺える
塩士暖投手の挑戦は、震災という厳しい経験からの復活であり、その先にはプロ野球選手としての夢があります。地震の経験が彼に新たな意識をもたらし、野球を通じて町を励ましたいという強い気持ちが彼を成長させています。今後の彼の活躍が期待されます。
キーワード解説
- 育成ドラフトとは?:プロ野球の選手選びの一つで、将来性を見込んで未契約の選手や若手選手を獲得する制度のこと。
- ライブBPとは?:実戦形式の練習で、選手同士が投球や打撃を行うことで実力を評価する場として用いられる。
- 地震とは?:地殻の変動によって引き起こされる自然現象で、地面の揺れを伴い、その強さは震度で表される。

