その青年は、ナイター中継を見ていた際に「巨人・新人テストのお知らせ」を耳にしました
興味を持った彼は、「面白そうだ」と軽い気持ちで応募しますが、運動不足に悩んでいた彼の体は十分に鍛えられていませんでした
しかし、ふたを開けてみると、多摩川グラウンドでの50メートル走と遠投の試験に合格
まさかの巨人からの合格通知が、彼のもとに届けられました
大学に先んじてプロ野球チームからの合格を果たした彼は、新聞で「予備校生合格」として取り上げられましたが、2次試験では不合格に終わります
理由は明らかで、全くの運動不足だったためです
この当時、彼は「まずはやってみよう」との考えを持っていましたが、その結果、2年も浪人生活をすることになりました
しかし、この経験が後の彼の人生に大きな影響を及ぼすことになります
2浪後、早稲田大学教育学部に合格した彼は、すぐに野球部に入部
1年春の早慶戦でのベンチ入りは、神宮球場の熱狂の中で彼にとって忘れられない瞬間となりました
その後、彼は2年秋からエース投手として活躍し、3年生で生涯の師匠である石井連蔵が監督に就任しました
「鬼の連蔵」と呼ばれるその厳しい指導の下で彼は成長しましたが、もし彼が現役合格していたならば、連蔵からの指導を受けることはできなかったかもしれません
彼の名は小宮山悟
現在は母校の早稲田大学で監督を務め、石井の教えを令和時代に受け継いでいます
「人生、どこで何がどうなるか、分からない」と彼は語り、浪人の選択が結果的に人生を豊かにしていることに感謝の意を表しています
アマ野球担当：加藤 弘士（編集委員）は彼の浪人経験を通じて、無駄なことは一つもないと訴えます
彼の成長した姿は、多くの人々に勇気を与えています
小宮山悟監督の浪人経験やその後の成功は、多くの人に勇気を与えるものです。失敗から得られる成長や教訓が、彼の人生をどのように豊かにしたのかが非常に興味深いです。また、慈しみや敬意を持って指導を行う彼の姿勢が、これからの選手たちにとっても大きな影響を与えることとなるでしょう。
キーワード解説
- 浪人とは？：大学入試に失敗し、次の年に再挑戦することを指します。
- エースとは？：野球チームにおいて最も優れた投手を指し、重要な試合で先発投手として起用されます。
- 指導とは？：選手に技術や戦術、精神面での成長を助けるために行われる教育活動のことです。
