歓喜に沸くソフトバンクナインをベンチからじっと見つめ、阪神・佐藤輝明内野手(26)は唇をかみしめる
打ち立てた日本シリーズタイ記録の5試合連続打点
その記録よりも、敗戦の無念の記憶が心に残った
「チーム力というか、それは向こうが本当にすごかったと思いますね」と佐藤輝は振り返る
1-0で迎えた五回2死一、二塁の場面では、対するソフトバンクの左腕・ヘルナンデスを相手にした
このシリーズで佐藤輝が何度も口にしてきた「もう1点、2点を取れるように」という願いに応える形で、粘り強く打席に立ち、7球目に甘く入った直球を捉えた
その打球は飛びついた二塁手・牧原大の頭上を越え、中前へと抜け出した
この適時打が大きな追加点をもたらし、2024年のDeNA・桑原将志と並ぶ日本シリーズ記録となる5試合連続打点を達成した
佐藤輝はこのシリーズで打率・368、5打点を記録し、敢闘賞を獲得した
セ・リーグ王者としての4番打者としての役割を全うし、日本を代表する勝負強さを証明したものの、代名詞ともいえるホームランは出なかった
チーム全体で0本塁打という結果は、ソフトバンクに制空権を完全に奪われた証拠でもある
「もっとチームを勝たせられるような働きをしたいですね」と意気込みを語る佐藤輝
この悔しさが2026年への糧となることを信じて、彼はさらに成長することだろう
一方で、佐藤輝の今オフでのポスティングを利用した米大リーグへの挑戦は見送られる見込みだ
今季は40本塁打&102打点でセ・リーグ2冠を達成し、昨年オフの契約更改時に口にした「まだ何も決まっていない
夢は夢として持ち続けたい」という言葉が、夢の実現へ向けた重要なステップとなるのか、球団との話し合いを重ねていくことが期待される
| 試合 | 結果 | 連続打点 | 打率 | 打点 |
|---|---|---|---|---|
| 第1戦 | 阪神 vs ソフトバンク | 1 | 368 | 1 |
| 第2戦 | 阪神 vs ソフトバンク | 2 | 368 | 1 |
| 第3戦 | 阪神 vs ソフトバンク | 3 | 368 | 1 |
| 第4戦 | 阪神 vs ソフトバンク | 4 | 368 | 1 |
| 第5戦 | 阪神 vs ソフトバンク | 5 | 368 | 1 |
キーワード解説
- 日本シリーズとは?日本プロ野球のシーズンを締めくくる重要なトーナメントで、セ・リーグとパ・リーグのチャンピオンチームが対戦します。
- ポスティングシステムとは?選手が自分の球団と交渉の上、海外のチームに移籍できる制度で、特にアメリカのメジャーリーグが有名です。
- 打率とは?選手の安打数を打数で割ったもので、 batting average(バッティングアベレージ)とも呼ばれ、選手の打撃の成果を示す指標です。

