広島カープの伝説的スカウトが振り返る、小林誠二の入団秘話

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数々の名勝負が繰り広げられた旧広島市民球場

今回は、広島東洋カープの伝説的スカウト、故・備前喜夫氏の言葉を借りて、1975年のドラフトでの小林誠二選手の入団秘話を紹介する

地元・広島工業高校からドラフト4位で入団し、独特な魔球『パームボール』を武器にリリーフとして活躍した小林選手の足跡を辿る

魔球『パームボール』と小林誠二の魅力

現在のプロ野球界では、カーブやスライダー、カットボール、フォークボールといった変化球が主流となっている

しかし、ドロップやナックル、パームボールといった特異な変化球を操る投手は稀有な存在だ

これが、そうした投手の存在感を際立たせている

広島カープの一時代を築いた小林誠二選手は、特に『パームボール』と呼ばれる変化球を駆使し、1984年のリーグ制覇と日本一に大いに貢献した

その際に私が彼を初めて目にしたのは、広島工業高校の3年生の時であり、「もしかしたら、彼はプロで活躍するかもしれない」との印象を受けた

高校時代の小林の投球スタイル

多くの人が思い描く小林選手は、サイドスローから投げる投手として知られるが、彼の高校時代はスリークォーターからの投球で、140キロ台のストレートとシュートを主体とした本格派投手であった

特に印象的だったのは、彼のシュートで、直線的に見えるストレートのスピードと遜色ないにもかかわらず、打者の手元で急に内側に入り込むキレがあった

そのため、打者はストレートと思いバットを振るが、結果として内野ゴロや内野フライを打つことが多かった

プロでの活躍を見越して

小林選手のシュートを見た瞬間、先発は難しいかもしれないが、中継ぎとしてならプロでも十分に活躍できるではないかと感じた

また、彼が地元広島出身であることもスカウトの大きなポイントとなった

チーム方針として地元選手を重視していたからだ

小林誠二選手の活躍は、多くのファンにとって記憶に残る魅力的なものでした。特に、彼の持ち味であるパームボールは、シンプルだったように見えるが実は奥深さを秘めています。時を超えて語り継がれるそのプレースタイルは、後進の選手にも影響を与えることでしょう。
キーワード解説

  • ドラフトとは?プロ野球選手を選ぶための一大イベントで、各球団が将来のスター選手を獲得するために行われる。
  • リリーフとは?試合中、先発投手が降板した後に登板する投手のこと。特に試合の重要な局面を任されることが多い。
  • 変化球とは?投球するときにボールの軌道が変わる球のこと。打者を惑わせるために使われる技術の一種。
  • パームボールとは?ボールを手のひら全体で持つことで独特の軌道を持つ変化球のこと。打者には予想しづらいボールとなる。

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