読売ジャイアンツにおけるFA選手の補強失敗の歴史

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プロ野球選手にとって、フリーエージェント(FA)権の取得は1つの勲章といえる

FA権とは、一定期間在籍した球団に対して移籍を要請できる権利であり、選手が移籍する際の重要なステップである

この移籍市場で活発な動きを見せる球団が、読売ジャイアンツである

しかし、その背後には過去における補強の失敗もあるのだ

ここでは、巨人入りも期待外れの成績に終わったFA選手の事例を紹介する

森福允彦

福岡ソフトバンクホークスで十分な実績を残し、読売ジャイアンツに移籍した森福允彦

しかし、ジャイアンツでの森福は、ホークス時代からは考えられない成績となってしまった

森福は、社会人野球のシダックスからホークスへ入団し、プロ2年目の2008年オフにサイドスローへ本格的に転向

2011年には、リリーフとして60試合に登板し、38ホールドポイント(4勝34ホールド)、防御率1.13という抜群の数字を残す

さらに、日本シリーズでの「森福の11球」などを通じて、その後も安定した投球を続け、左キラーとしての地位を築いた

2015年は成績を落としたものの、2016年には50試合に登板し、防御率2.00と復調を果たす

ただし、左打者へのワンポイントリリーフとしての起用が多かったため、投球回は27イニングに留まった

この状況を受けて、FA権を行使し、ジャイアンツに移籍した

移籍初年度は一定の成績を残したものの、2018年以降は不安定な投球が続き、登板機会は激減

特に2018年はわずか2試合の登板に留まり、防御率13.50という厳しい成績に終わった

結果として、2019年オフに戦力外通告を受け、現役を引退した

プロ野球におけるFA選手の補強は球団にとって重要ですが、その成功は簡単ではありません。読売ジャイアンツでも過去に期待された選手が成績を残せなかった事例が多数あります。森福允彦選手のように、実績のある選手でも環境や役割の変化によってパフォーマンスが影響されることを考えると、選手を補強する際には慎重な判断が求められるでしょう。
キーワード解説

  • フリーエージェント(FA)権とは? 選手が一定の条件を満たした場合、自分の意思で別の球団に移籍できる権利のことを指します。
  • ホールドポイントとは? リリーフ投手が、試合中に自チームがリードしている状況で登板した回数を数える指標で、投手の安定感を図る重要なステータスです。
  • 左キラーとは? 特に左打者に対して優れた投球をする右ハンドの投手を指し、対左打者の成績が良いことから名付けられました。

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