今年、二人は共に70歳を迎えました
掛布は5月9日、江川は5月25日に古希を迎え、それぞれのキャリアに残した数々の名場面を振り返ることにしましょう
高校時代の交流と初対決
実は、二人は高校3年生で夏の大会を前に練習試合で顔を合わせたことがあります1973年6月10日、作新学院が行った練習試合で、掛布は第1試合の第1打席で死球を受けて交代
江川はリリーフとして登板し、わずか4イニングで9つの三振を奪いました
このパフォーマンスをベンチで見ていた掛布は後に「打たなくて良かった」と話しています
江川との共著『巨人－阪神論』において、この体験がプロとして打てなくなるトラウマに繋がる可能性もあったと振り返っています
プロ入りから初対決までの道のり
その年、掛布は阪神のテストを受け合格し、ドラフト6位で入団しました江川は法政大学から一浪の末、巨人入りを果たしますが、プロ初登板は思わぬ形で実現しました
江川は開幕から出場停止を受け、6月2日の阪神戦でプロ初先発しましたが、掛布は先に腰を痛めており、再び対決の夢は叶いませんでした
伝説の七夕初対決
待望の初対決は1979年7月7日、七夕の日に実現しました掛布は初球を見送り、その後、江川が投げたカーブを右翼席中段に運ぶ先制ホームランを放ちます
この一発は、江川が掛布を意識しすぎた結果の一打であり、両者の心理戦とも言えます
江川は自身の弱気を後悔し、「この初球は一生の痛恨事」と振り返っています
まとめ
こうして始まった江川と掛布のライバル関係は、両者の名勝負の数々を生むきっかけとなりました70歳を迎えた今も、ファンの記憶に鮮明に残る彼らの対決は、さまざまなドラマを語り継いでいます
江川卓と掛布雅之のライバル物語は、ただの勝負ではなく、互いに影響を与え合った絆を感じさせます。特に初対決の緊張感や、思い出が詰まったエピソードは多くのファンの心に深く刻まれています。70歳を迎えた今でも、その姿勢とストーリーは多くの人に愛され続けることでしょう。
キーワード解説
- 江川卓とは？ 1955年生まれで、1980年代に巨人のエースとして活躍したプロ野球選手。
- 掛布雅之とは？ 同じく1955年生まれで、阪神の4番打者として人気を博した選手。
- 出場停止とは？ プレイや不正行為によって、一定期間試合に出場できなくなる処分のこと。
- 死球とは？ ピッチャーが投げたボールがバッターに当たることを指し、バッターは1塁に進める特権を得る。
