巨人のV9戦士、吉田孝司さんが振り返る長嶋茂雄氏との思い出
巨人のV9戦士である吉田孝司さん(79)が、6月3日に亡くなった長嶋茂雄氏の現役時代を振り返り、彼との特別な関係や数々のエピソードを語った長嶋氏はその優れた才能とキャラクターで知られる存在だが、時折「限界説」と呼ばれる言葉が彼に影を落とすこともあった
長嶋氏との思い出
吉田さんは、「長嶋さんには、すごくかわいがってもらって、いろんな思い出があります」と述べ、V9時代をともに過ごした仲間たちとの葬儀に参列した際、思い出が蘇ってきた様子を語ったそれは、長嶋氏がマスコミから「限界説」を言われた1967年のことだった
練習を通して見えた長嶋氏の人間性
当時、長嶋氏は打率・283と低迷し、彼の才能に疑問を持つ声が聞かれるようになっていた吉田さんは、彼から「ヨシ、走ろう」と誘われ、一緒にマンツーマンで走り始めた
当初は緊張していたというが、徐々にそのリズムを掴んでいった
「『シュッシュッ、シュッシュッ』と言いながら走っていくうちに、どんどんスピードが速くなりました」と吉田さんが振り返る
長嶋氏の指導から得たもの
長嶋氏は自身のイメージを常に意識し、ファンを魅了することに注力していた「必ず俺の後を走れ」というアドバイスから、吉田さんは「リズム」を大切にすることを学んだ
長嶋氏は、野球のすべてはリズムにより成り立っていると教えていた
吉田さんはその言葉を今でも忘れずにいる
さらに、長嶋氏との思い出は練習に留まらず、現役引退後の交流にも広がった
監督となった長嶋氏は、吉田さんを自宅に招き、マッサージをしてもらうなどの心配りを見せた
こうしたエピソードからは、厳しさの中に優しさがあった長嶋氏の人柄が感じられる
「長嶋さんは、厳しくても愛情にあふれた人でした
話すたびに自然と笑顔になってしまう存在でした」と吉田さんはしみじみ語った
吉田孝司さんは1946年生まれで、1965年に巨人に入団し、V9時代に活躍
通算954試合出場、打率・235、MVP受賞などの記録を持つ
引退後は巨人に留まり、2025年にはDeNAのスカウト部長として成果を上げていた
吉田孝司さんが語る長嶋茂雄氏のエピソードは、彼の人間性とプロとしての姿勢をよく表しています。長嶋氏が選手の成長を促すために、厳しさとユーモアを持って接していたことは、現役選手にも引き継がれる重要な教訓です。特にリズム感の重視は、野球のみならず、どんなスポーツにも通じるポイントでしょう。
キーワード解説
- V9戦士とは? V9戦士は、巨人が1960年代後半から1970年代初頭にかけて、9連覇を達成した時代に活躍した選手たちを指します。
- 限界説とは? 限界説は、選手が一定の成績を維持できないとされる状況において、その選手の能力や未来に対して懸念が示される状況を指します。
- リズムとは? リズムは、スポーツにおいて動作やプレーが流れるように行われることを指し、特に野球では打撃や守備においても重要な要素とされています。

