江本孟紀氏、阪神時代の契約更改を振り返る─「暗黒時代」の実情とシブチン更改の内幕

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2025年、阪神タイガースはセ・リーグ首位を快調に走っている

しかし、さかのぼること30〜40年前、チームは「暗黒時代」と呼ばれる苦しい状況にあった

そんな時期に阪神に加入したのが、江本孟紀氏

“エモやん”として知られる彼が、自身の体験をもとに当時のウラ話を『阪神タイガースぶっちゃけ話 岡田阪神激闘篇』(清談社Publico)の一部を引用しながら紹介している

私が体験した“シブチン更改”の舞台裏

引退してから40年がたつが、一般の人々との講演会では、契約更改に関する質問がよく寄せられる

「契約更改はそんなに揉めるのか?」と多くの人が疑問に思っているようだ

江本氏は、最近の選手は活躍すればすぐに年俸が上がることを前提に、「自分たちの時代とは異なる」と語る

その上で、年俸の交渉は決して簡単ではないと指摘する

パから来た君の年俸を吊り上げるわけにはイカン

江本氏は、阪神での契約更改の思い出を語る

1976年、移籍初年度の年俸交渉では、15勝を挙げたにも関わらず、わずか90万円しか上がらなかったことに驚愕したという

彼はその金額に納得できず、一度交渉を打ち切り、再び交渉の場に臨むも、提示された金額はさらに60万円のアップにとどまった

契約交渉の席で、チームの上層部から「1000万円以上もらっているピッチャーはいない」と聞かされ、「パ・リーグから来た君の年俸をドカンと吊り上げるようなことはできない」との発言があった

これは、当時「人気のセ・実力のパ」と言われていた時代背景を反映したもので、江本氏はその言葉に強い違和感を覚えた

しかし、これ以上粘ったところでわずかな増額しか期待できないと判断し、契約に応じることに決めた

江本孟紀氏が語る阪神時代の契約更改のエピソードは、当時のプロ野球選手にとっての厳しい現実を浮き彫りにしています。特に、選手の年俸がチームの方針によって決定されるという仕組みは、多くの選手にとって大きなストレスとなったことでしょう。江本氏自身の体験は、過去の暗黒時代を知る良い教訓です。
キーワード解説

  • 契約更改とは?契約更改は、プロスポーツ選手と球団が年俸や契約内容を交渉する重要なプロセスです。選手の実績に基づいて新しい契約を結ぶことで、選手の収入が決まります。
  • 年俸とは?年俸は、プロスポーツ選手の1年間の給与を指します。この金額は選手の能力や実績に基づいて決まるため、選手にとって非常に重要な要素です。
  • 移籍とは?移籍は、選手が他のチームに加わることを意味します。移籍に伴い、選手は新しいチームでプレーすることになり、その際に契約の条件が再調整されることが一般的です。
  • パ・リーグとは?パ・リーグは、日本プロ野球のリーグの一つで、一般的に実力派選手が多く在籍し、戦術面でも多様性があるとされています。セ・リーグとは別々のリーグで競い合っています。

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