当初は「サブ要員」としての立場だったが、彼は日本プロ野球界において「史上最強の助っ人」として名を馳せることになる
その驚くべき活躍や人間性を、当時のチームメートたちの証言を通じて振り返る
本命ストローターの「おまけ」だったバース
阪神タイガースが優勝争いをする中、その打線には外国人バッターの名前が見当たらない過去の優勝時には必ず外国人選手がキーとなっていたが、1985年の日本一を導いたのはまさにランディ・バースだった
横浜において蔓延していた外国人選手の獲得を巡る争奪戦
その中で、本命はスティーブ・ストローターだったが、バースはまさに「おまけ」として選ばれた
のちに彼が史上初の2年連続三冠王を達成することになるとは、当時は誰も予想していなかった
本来、名前の表記は「バス」だったが…
バースの入団時には興味深いエピソードがある正確には「バス」と発音されるが、阪神は電鉄会社として「バス運行」も行っているため、ニュースで「阪神バス急停車」と扱われることを懸念し、「バース」と表記された
1983年シーズン、もともとメイン選手とされていたストローターが期待外れだった一方で、バースは35本塁打を放ち、翌年も27本塁打、打率は.326を記録する
これを受けて、当時のチームメートである川藤幸三は、バースの姿勢に着目
「日本の文化を学ぶ姿勢が素晴らしかった」と振り返る
特に彼が印象的だったのは、箸の使い方である
「あれだけ箸を上手に使う外国人は初めてだった」と語る川藤
バースは、技術の向上だけでなく、日本社会に馴染むための努力を怠らなかった
ランディ・バースは、入団当初は「おまけ」のような存在でしたが、やがて阪神タイガースを日本一に導く重要な選手となりました。彼の成功は、当初の期待を超えたものであり、プロ野球史に残る壮大なストーリーです。その背景には、バースの日本文化への適応や、熱心な努力があったことが挙げられます。
キーワード解説
- バースとは?アメリカ出身のプロ野球選手で、阪神タイガースに所属し、日本でのプロ野球史上最強の外国人打者とされる存在。
- 三冠王とは?打率、ホームラン、打点の三部門でリーグ1位となることで、そのシーズンに最も優れた打者であることを示す名誉な称号。
- サブ要員とは?メイン選手に次ぐ控え選手のことで、チームにおいて重要な役割を果たすことが期待される。

