しかし、彼のキャリアは故障に見舞われることが多く、8年後の2013年にはプロ野球選手としての道を閉ざしました
それから十年近くの歳月が流れ、辻󠄀内氏は今、秋田で警備業に従事しています
現金輸送の厳しい現場での生活
辻󠄀内氏は2019年に秋田に移住し、警備会社「ALSOK秋田」で現金輸送の仕事をしています彼の業務は銀行のATMに現金を運ぶことや、小売店からの売上金を銀行に持参することです
この仕事は強盗の危険が伴い、非常に緊張感のある職場環境です
「装備はまず刃物を通さないチョッキ
次が警戒棒で、賊に襲われないように警戒しながら現金輸送をします」と語る辻󠄀内氏
この日は県内を15件回り、出発から7時間後に無事に戻ることができました
野球からの転生と家庭の事情
野球に関しては、肩や肘の痛みに悩まされ、短いキャリアでプロ選手人生を終えましたその後、女子プロ野球の監督の職に就くなどしましたが、2019年に妻の母親の体調不良を受け、秋田に移り住むこととなったのです
新生活に「仕事に就くこと」が最優先だったと言います
警備業界での信頼と仲間の支え
辻󠄀内氏は、ハローワークで職を探し続け、現在の仕事にたどり着きました今年で6年目を迎え、同僚や後輩からの信頼を得ています
「イレギュラーが起きた時も冷静に対処する」「ミスもなく仕事に対して誠実」と評価される働きぶりです
プライベートの悩みと未来への思い
辻󠄀内氏は、引退の1年前に結婚をしましたが、最近離婚したことを告白しました「今独り身なんですよ」と少し気まずそうに話す彼に、明るい表情は見られません
「夕食はいつもコンビニで済ませたりしています」と生活の苦労も明かしました
とはいえ、秋田に残る理由は仲間の存在と会社への恩返しです
未来についての展望を尋ねると、少し考え込んだ後、「自分が本当に何がしたいのか…まだ見つけていない」と答えました
辻󠄀内崇伸氏の新たな生活を追ったこの取材は、元スポーツ選手の人生の変遷を浮き彫りにしています
新天地での挑戦の中で、彼がどのように自分自身と向き合っていくのか、今後の応援が必要です
辻󠄀内崇伸氏のインタビューからは、元プロ野球選手の人生の厳しさと新たな挑戦が見えました。警備業での仕事は危険が伴う一方、仲間との絆や信頼を築く場でもあります。過去に囚われず、未来に目を向ける姿勢に少なからず勇気をもらいました。
キーワード解説
- プロ野球とは? プロ野球は、日本全国で行われる野球のプロリーグで、選手たちが給料をもらいながら競技を行います。
- 警備業とは? 警備業は、人や物の安全を守る仕事で、現金輸送や施設の警備などを担当します。
- 離婚とは? 離婚は、結婚した夫婦が法律上の関係を解消することで、家庭を持たずに生活することを指します。

