元ソフトバンク・ロッテで活躍した捕手、猪本健太郎さん(34)が新たな人生を歩み始めた
彼は現役時代9年、裏方として6年の計15年間をプロ野球界で過ごした後、昨年9月から福岡市中央区薬院で生花店「FLOWER STUDIO S(フラワースタジオエス)」を開業
異なるフィールドで見つけた新たなやりがいについて語った
特異な経歴とプロ野球での成績
猪本さんは小学1年生から野球を始め、兄の影響を受けてバットを手にした投手や内外野のポジションを経験しながらユーティリティー選手として成長
高校時代には甲子園出場には至らなかったものの、2008年にはソフトバンクから育成ドラフト4位が指名されプロへと進出
「まるで就職先が決まったような感覚だった」と当時を回想する
育成選手としての輝かしい成績
プロ入り2年目にして「フレッシュオールスター」で育成選手史上初の本塁打を記録し、優秀選手賞に輝くその後、戦力外通告を覚悟しながらも筋トレに励み、長打力を開花させた
ウエスタン・リーグの連覇に貢献した後、2013年に念願の支配下登録を獲得
2014年からは一軍に昇格し、その後ロッテに移籍し活躍した
ブルペン捕手としての役割
猪本さんは2017年に現役を引退し、翌年からはソフトバンクのブルペン捕手に転身「投手が気持ちよく試合に臨めるようにサポートする仕事が大切だと学んだ」と話し、裏方の重要性を実感した6年間を振り返る
新たな旅立ちとしての生花店
第二のキャリアとして選んだ「花」の世界叔父が仲卸業を営んでいた影響もあり、子供の頃から花に親しんできた
現在は妻とともに経営する生花店で、花の仕入れや接客、デザインを担当し、カフェスペースも併設してリラックスも楽しめる空間を提供している
「特にプロポーズ用の花束にはこだわりがあり、過去の成功率は9割以上」と自信を見せる
お客様からの成功報告が何よりの喜びだという
「野球と花は人の思いを込めてこそ魅力が増すもの
どちらも触れやすいけれど、その扱い方で大きく意味が変わる」と猪本さんは力説する
野球と花の共通点を見出し、新たな人生を楽しんでいる姿が印象的だ
この先も、ホークスの連覇を祝うための花のアレンジメントを用意する予定で、新しい挑戦を続けている
元プロ野球選手が花屋を営むという異色の経歴は、多くの人にとって新しい挑戦の一つの形を示している。猪本さんのようにアスリートからビジネスマンへと転身する事例が増加しており、人々に希望を与える存在となっている。
キーワード解説
- 育成ドラフトとは?プロ野球で選手を発掘するための制度であり、主に一軍に所属していない選手や若手選手を対象にしたもの。この制度を利用してプロへと進む選手が多い。
- ブルペン捕手とは?試合中に先発投手の前で投球練習を行う捕手のこと。試合前の準備を整えたり、投手の状態を見極める役割を持つ。
- プロポーズ用の花束とは?結婚を申し込む際に贈る花束のことで、特にその内容や見た目にこだわることが多い。お相手の好みに合わせてデザインされることが多い。

