その背景には、特別な思いが込められている
2021年に遡ると、小島選手はプロ3年目で先発ローテーションの一員として活躍していたが、当時は防御率4.69と苦しいシーズンを送っていた
東京五輪の中断後、小島選手は初登板で勝利を収めるも、その後は日本ハム戦で2試合連続で早期降板する苦しい時間が続いた
この厳しい状況を打破するきっかけとなったのが、同チームの美馬学投手からの声掛けである
美馬選手は、ネガティブな思考に陥りがちな小島選手に、「チャンスをもらっているのだから、思い切って投げてみればいい」と奮い立たせたという
特に9月11日の試合は、小島選手にとって意味深い日だった
美馬選手の助言を受けた彼は、この日に自身初の完投勝利を達成した
その後も好調を維持し、最終的には24試合146回を投げ、10勝4敗、防御率3.76という成績を残し、初の規定投球回達成と二桁勝利を達成した
小島選手は、美馬選手から受け継いだ「長いイニングを投げる」という役割を大事にし、後輩たちにもその精神を伝えたいと考えている
現在、小島選手はチームの代表する先発投手として成長を遂げており、自らの経験を基に成長を続ける姿勢を見せている
あの日の思いを大切にし、これからも成長していく小島選手の姿に、ファンの期待も高まる
取材・文=岩下雄太 小島和哉選手の成長には、多くの要素が影響している。特に美馬学選手の助言や、彼自身の経験を積み重ねていく姿勢は、他の選手にとっても素晴らしい模範となるだろう。今後の活躍にも期待が高まる。
キーワード解説
- 登場曲とは?選手がマウンドに上がる際に流す音楽で、選手の気持ちを高めたり、ファンの応援を盛り上げたりする役割がある。
- 完投とは?ピッチャーが試合の全てのイニングを投げ切り、交代なしで試合を締めくくることを指す。
- 規定投球回とは?シーズン中にピッチャーが一定数以上のイニングを投げることを指し、一定の基準を満たしたピッチャーが認められる。

