プロ野球における勝利のカギは「攻撃力」?宮本慎也が語る戦略と戦術
プロ野球ファンにとって、優勝のためには勝負強さ、打撃力、あるいは守備力のどれが重要かというテーマは常に議論の的であるそんな中、元プロ野球選手の宮本慎也は、自著『プロ視点の野球観戦術 戦略、攻撃、守備の新常識』(PHP研究所)の中でこの問いに対する明解な答えを導き出した
接戦に勝つチームより大勝するチームが優勝する理由
宮本は「勝負事には戦略と戦術が必要」とし、これらの違いを明確にした戦略とは「全体の方針」を指し、戦術は「具体的な作戦」を意味すると説明する
例えば、シーズンの戦略として機動力を活かす野球を掲げれば、選手たちは厳しい状況でも積極的に走ることで相手にプレッシャーをかけることができる
このようなプレッシャーはシーズンを通じて大きな利点となる
統計によると、接戦に強いチームよりも、大勝するチームが優勝確率が高いことが示されている
近年のデータでは、3点差や5点差の試合で最高勝率を記録したチームが優勝する傾向が強いことが確認されている
これは、大きなリードを抱えることで投手がリラックスして投球でき、結果的に試合展開が有利に進むためだ
投手陣への恩恵と伊藤智仁コーチの成功例
また、大量得点が投手陣にもたらす好循環についても言及された先発投手は試合序盤に得点が入ることで、より冷静にプレーでき、精神的な負担が軽減される
これにより、投手は球数を少なく抑えられ、疲労を防ぐことができる
特に、大差の試合では相手は盗塁を仕掛けにくくなり、投手は自分のリズムを保って投球に集中できるというメリットが生まれる
この戦略の成功例として、特にヤクルトの2年連続優勝(2021年、2022年)が挙げられた
かつては最下位に苦しんだチームが、投手陣を立て直し、優勝へと導いた
宮本慎也が解説するプロ野球の勝利の要素は、攻撃力にフォーカスが当てられています。接戦を制するよりも、相手を圧倒する大勝が重要であり、その理由には投手陣への恩恵があることがわかります。選手たちが自由にプレーできる環境を整えることで、チーム全体のパフォーマンス向上に繋がるのです。
キーワード解説
- 戦略とは?全体の方針を決め、試合でどう戦うかを考えること。
- 戦術とは?具体的なプレーの計画で、瞬間瞬間の作戦を指す。
- 攻撃力とは?チームが得点を奪う力のことで、試合展開に大きく影響する。
- 疲弊度とは?選手が試合中にどれだけ疲れるかを示す指標で、体力の消耗を表す。

