ノンフィクションライターの柳川悠二氏が、その思いを探った
10月上旬、クライマックスシリーズの真っ最中、森木は兵庫県尼崎市の二軍施設・ゼロカーボンベースボールパークのサブグラウンドに姿を現わした
すでに次期のチーム構想から外れ、戦力外通告を受けているため、事実上阪神選手としての行動は制限されていた
彼の背番号「120」が入ったユニフォームやウエアを着ることも許されず、彼は孤独な練習を続けていた
森木は、同じような境遇にいる選手と共にキャッチボールを行い、その後は室内練習場に籠もり、外での練習は行わなかった
彼は、高知中学時代には150キロを記録し「スーパー中学生」と称され、高知高校では世代ナンバーワンと評価されていたにもかかわらず、プロ入り後は厳しい現実に直面していた
2021年のドラフトで阪神から1位指名を受けて入団したものの、3年目の昨秋に育成契約に降格し、今回の通告でついに居場所を失った
森木は「去年、育成に落ちて『やばいな』とは思ったが、いい登板が多かったため、面倒をみてもらえると期待していた
しかし、甘くはなかった」と苦しい胸の内を明かした
メジャー級の回転数もケガに泣いた森木選手
中学時代には150キロの速球を投げた森木だが、高校時代は怪我に悩まされた高校時代の話では、彼は甲子園出場を夢見ていたが、その夢は叶わなかった
2021年のドラフト前には、彼の球の回転数がメジャーリーガー並みの2730回転と記録されたが、その後の故障がすべてを狂わせた
ウエイトトレーニング中に右第1肋骨を疲労骨折したことで、彼は投球フォームに影響が出て、リリースポイントが安定しなくなった
回転数は2600以下に落ち込んだ
他の選手たちは成長し続ける中、森木は怪我と戦いながら、そのチャンスを掴むことができなかった
阪神・森木大智選手の戦力外通告のニュースは、選手にとっての厳しさを再認識させるものです。甲子園での夢を抱えていた彼の苦悩や、プロ入り後の実績とのギャップが浮き彫りになっています。今後の彼のキャリアがどうなるのか、多くのファンが関心を寄せています。
キーワード解説
- 戦力外通告とは？選手がチームの戦力から外れ、契約が解除されることを指します。
- 育成契約とは？プロ野球選手が一軍に登録されず、育成選手として育成を目的に契約される形態を意味します。
- 回転数とは？野球のボールが投げられてからの回転の速さを示すもので、ボールの質や投球力を測る重要な指標です。
