特に、彼が巨人戦で達成した3度のノーヒットノーランのうち、最後の記録となった1972年4月29日の戦いが強く記憶に残っている
ノーヒッターへの挑戦
外木場氏は、当時の巨人の強力打線に対して、不安を抱きつつも真っ向から挑んでいった彼は「私の持ち球はどのみち真っすぐとカーブだけ
それでいくだけじゃ」と話し、球種を見抜かれたとしても自分のスタイルを貫く覚悟を固めていた
白熱の巨人戦
巨人との対戦は、プロとしての名声を高めるための大きなチャンスであった「当時、テレビ中継はほとんど巨人戦
自分の名前を世間に売ろうと思ったら、巨人相手にいい投球をしないといけなかった
」と振り返る彼の気持ちの強さが、勝負の行方を左右したのだ
75年の初優勝を振り返る
広島がペナントを獲得した1975年、外木場氏は古葉竹識監督から先発を託され、10月15日の巨人戦でチームの優勝に大きく貢献した特に、末次利光選手との対決では、新たに習得したスライダーでセカンドゴロを引き出し、ここでの併殺打が勝負を決定付けた
一瞬の喜び
試合の後、宿舎でのビールかけの際には、初めて心の底からの歓喜が湧き上がったといい、その瞬間が彼にとっての「宝物」だと語ったまた、ノーヒッターを達成した際のプライドの高さやストイックな姿勢にも触れつつ、自身のプロ野球人生を振り返った
対巨人戦の思い出と対戦相手への敬意
外木場氏は、ジャイアンツのレジェンド、長嶋茂雄氏と王貞治氏の打撃スタイルについても言及特に王選手は「どこに投げても打たれる感覚」があったとし、両者に対する尊敬の念を隠さなかった
取材・構成:太田倫、湯浅佳典外木場氏のインタビューは、プロ野球の中でも特に巨人戦に対する敬意とそこから受けた影響を如実に表現している。彼の記憶には、成功にも失敗にも関わらず懸命に向き合った姿勢が映されている。
キーワード解説
- ノーヒットノーランとは?:投手が打者に安打を許さずにゲームを完了させること。プロ野球での偉業であり、非常に難しいとされている。
- スライダーとは?:野球の投球技術の一つで、ボールが横に曲がる特性を持つ球種。打者にとって読みづらく、打ちにくい球である。
- エースとは?:野球チームにおける最も信頼される先発投手を指す。試合の勝敗を左右する重要な役割を担っている。
- ペナントレースとは?:プロ野球におけるシーズンを通じての成績を競う形式で、最もポイントが高いチームが優勝となる。

