智弁和歌山、雪辱の勝利を収める–春夏通じての初出場・千葉黎明との対決
2025年3月21日、第97回選抜高校野球大会にて、智弁和歌山が千葉黎明との初戦で6-0の快勝を収めた智弁和歌山は、これまでの甲子園での厳しい戦績を振り返りながら、この勝利が新たなスタートになることを期待している
智弁和歌山の中谷仁監督は試合後、「良いご縁で出会った選手たちと甲子園まで来ながら、最近はちょっと僕のふがいなさで勝てていなかった
きょうは勝ててよかった」とほっとした表情で語った
智弁和歌山は、兄弟校の智弁学園(奈良)と対戦し2021年の夏に全国制覇を達成して以来、甲子園での白星が遠ざかっていた
特に昨夏の大会では、優勝候補とされながらも、霞ヶ浦(茨城)との初戦で延長タイブレークの末に敗れており、その記憶が選手にとっての重圧となっていた
中谷監督は、この試合を重く受け止め、「去年の夏の敗戦を鮮明に記憶しているメンバーが多いです
緊張感がありました」と振り返った
試合序盤から智弁和歌山は積極的な攻撃を展開し、5番打者・新井優聖内野手(2年)と6番打者・山田凛虎捕手(2年)の連続適時打で早々に3点を先制
その後も攻撃の手を緩めず、6回、7回、9回にもそれぞれ追加点を奪い、特に投手の渡辺颯人(3年)が9回を90球無失点で投げきり、完封勝利を果たした
なお、このような投手でも100球未満で完封することを「マダックス」と呼び、逆に球数が100を超えた場合は「エラーレ」の称号が与えられる
山田凛虎は、強肩を武器にした正捕手としての出場が注目されており、最近の試合では二塁送球タイムが平均2秒を切るほどの俊敏さを見せている
中谷監督は「守備は安心して見ていられます」とその実力を評価する一方で、「打撃はまだまだ」と厳しい目を向けていたが、試合では大事な場面で打つ能力も高く評価されている
智弁和歌山が甲子園での初戦を勝利したことは、選手たちにとって新たな希望の光となりました。昨年の夏の記憶を乗り越えて勝利に結びつけた姿勢は、他のチームにも刺激を与えるでしょう。監督の指導のもと、次の試合も期待されます。
キーワード解説
- 甲子園とは? 全国の高校が集まる野球の大会で、日本の高校野球の最高峰とされる。
- タイブレークとは? 延長戦のルールで、両チームが挿入されたラッキーイニングの最初の攻撃が行われ、得点が入るまで続く。
- マダックスとは? 投手が100球未満の投球数で試合を完封することを指し、その達成は非常に難しいとされる。