元阪神投手・遠山奨志さん、京都廣学館高で新たな挑戦
プロ野球の阪神タイガースで中継ぎ投手として名を馳せた遠山奨志さん(57)が、この春に京都廣学館高野球部の特任投手コーチに就任した彼は「松井キラー」との異名を持ち、巨人の松井秀喜選手らとの激闘で知られ、その卓越した投球技術は多くのファンに愛されてきた
「自分自身は高校時代の野球が一番楽しかった
生徒たちが自らの可能性を広げる力になりたい」と、遠山さんは快活な笑顔を浮かべながら語った
4月下旬、京都府精華町に位置する同校のグラウンドでは、遠山さんが投球フォームを改善しようとする選手たちにアドバイスを行った
彼は週に2、3度、グラウンドに訪れ、投手の基礎動作や投球の組み立て方について指導する役割を担っている
遠山さんは熊本県出身で、八代第一高(現秀岳館高)時代に投打の「二刀流」として活躍した
1985年には阪神からドラフト1位指名を受け、高卒新人として86年に8勝を挙げ、瞬く間に注目の若手投手となる
一時はけがに悩まされたものの、91年に千葉ロッテマリーンズに移籍し、98年に阪神へ復帰した
復帰後の彼は、左の中継ぎの役割を果たし、特に松井秀喜選手や高橋由伸選手ら強打者との対戦で「プライドを持って投げる」姿勢を示した
2002年に引退後は阪神のコーチとしてマンツーマンで指導し、昨年末に京都廣学館高のチームに関与することが決定した
彼は、単なる投手育成にとどまらず、全体としてのチーム力を引き上げるために、原隆徳監督と協力している
指導の現場では、技術面だけではなく、練習への真摯な取り組み方の重要性を選手たちに説いている
彼は、「現役時代の経験から、気持ちの面も勝負において非常に重要だと痛感した
日々の積み重ねが、実戦でのパフォーマンスに繋がる」と熱く語る
遠山さんは、プロを目指す選手や高校で野球を辞めて他の道を探る選手など、様々な目的を持つ生徒たちが同じ目標に向かって努力する姿に、高校野球の醍醐味を感じている
今後は各選手の特性を引き出し、温かい指導を行いたいとの思いを語った
かつて阪神ファンの心をつかんだ遠山さんが、今度は甲子園を目指す生徒たちを優しく見守っている姿が印象的である
遠山 奨志(とおやま・しょうじ) - 1967年生まれ
1985年のドラフトで阪神から清原和博選手の外れ1位で指名
新人時代の86年に8勝を挙げ、エース候補としての期待を集めた
91年にロッテへ移籍し、一時は打者転向も経験
その後98年に阪神に戻り、中継ぎとして活躍
プロ通算393試合登板で16勝22敗5セーブを記録し、99年にはセ・リーグのカムバック賞を受賞した
遠山奨志さんが京都廣学館高の特任投手コーチとして選手たちの指導にあたる姿は、彼自身の野球に対する情熱を再確認させるものです。高校時代の経験をもとに、選手たちが自らの目標に向かって努力する姿を見ることに喜びを感じているようで、指導者としての新たな挑戦が期待されます。
キーワード解説
- 特任投手コーチとは? - 学校などで特別に任命された投手指導者のことを指し、通常のコーチとは異なる特別な役割を持ちます。
- 中継ぎ投手とは? - 試合中に先発投手の後に登板する投手で、試合の流れを大きく左右する重要な役割を果たします。
- 二刀流とは? - 同一選手が投手と野手の両方としてプレイするスタイルのことを言います。日本の野球界では大谷翔平選手のように注目されるようになっています。
- カムバック賞とは? - とくに成績が落ち込んでいた選手が再び活躍を見せた際に贈られる賞で、努力と復活を評価されるものです。

