プロ15年目という節目の年に達川氏は、前年度に広島をリーグ優勝に導いた活躍を見せていたが、若手捕手たちへの世代交代を考慮し、自らの引退を決断した
この引退の背景には、1980年代から活躍し続けた先輩捕手としての責任感と、選手としての「最後のカープ」の姿を見せることがあった
リーグ優勝の足跡
1991年、達川氏が所属していた広島は、山本浩二監督の指導の下、5年ぶりのリーグ優勝を果たしたこのシーズン、炎のストッパーとして知られる津田恒実投手が病気のため4月にチームを離れるという逆境に見舞われたが、その心情を忘れず、全員が「津田のために」と奮起し栄冠をつかんだ
特に10月13日の阪神戦のダブルヘッダー第2試合では、佐々岡真司投手と大野豊投手による完封リレーで優勝を決定づけた
アクシデントとサインの工夫
この試合では、佐々岡投手が右目にコンタクトを入れることができず、その結果、達川氏は手でサインを出すというアイデアを実行したこの柔軟な対応がピッチャーの好投を支え、試合を有利に進めることに繋がった
引退の決断
日本シリーズでは西武に3勝4敗という結果で終わったものの、達川氏は全試合にスタメン出場し、捕手としての存在感を示したしかし、翌年の引退を決意したのは自身の打撃成績が低下したことだけが理由ではなく、若手捕手の成長と球団の方針が大きかった
特に西山秀二捕手や瀬戸輝信捕手の台頭を受け、愛するカープの未来を見据えた結果であった
最後の試合
達川氏が引退を決めたのは、本拠地最終戦での巨人戦の当日だったキャリアの中で築いてきた数々の思い出が詰まったユニフォームを脱ぐ瞬間は、彼にとって特別な意味を持ったに違いない
達川光男氏の引退は、プロ野球界において重要な転機であった。彼の将来を見据えた決断は、広島にとって年齢や経験に応じた選手起用を進める重要性を示している。同時に、若手選手たちにとっても先輩の存在がどれほど大きな意味を持っていたのかを感じさせる出来事だった。達川氏は、自身のキャリアを通じて多くの思い出をファンに残し、球団に貢献してきたことでしょう。
キーワード解説
- リリーフとは?:リリーフは、試合中に先発投手が降板した後にマウンドに上がる投手のことを指します。その役割は、試合の流れを変えたり、勝利を確実にするために重要です。
- バッテリーとは?:バッテリーは野球において、投手と捕手のコンビを表します。この二人の連携が試合に与える影響は非常に大きく、緊密な信頼関係が必要です。
- 世代交代とは?:世代交代は、チーム内で新しく若手選手を起用し、古い選手から新しい選手へと役割を移行することを指します。これはチームの長期的な成長と競争力を維持するために重要な概念です。

